我が国のNAFLDの有病率は約30%と増加傾向で、肝病態の進展とともに発癌リスクは上昇し、NASHでは約5/1000人・年とされ、新規NASH治療薬の開発は、肝臓がん発症の抑制という社会的、経済的なメリットが期待できる。本研究の結果から、Fdxrノックダウンマウスは、TCA回路を構成するコハク酸デヒドロゲナーゼ、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、オキソグルタレートデヒドロゲナーゼのフラックス低下を認め、FDXRノックダウンは、ミトコンドリアTCA回路フラックスの低下を介して、NASHの病態進展に関わることが示唆された。本研究の成果が、新規NASH治療薬に展開するための基盤になることが期待される。
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