研究課題/領域番号 |
21000008
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 博之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90134642)
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研究分担者 |
橋口 原 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (70314903)
佐々木 成朗 成蹊大学, 理工学部, 教授 (40360862)
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キーワード | MEMS / TEM / 第一原理計算 / ナノコンタクト / ナノハンドアイシステム |
研究概要 |
計測系の拡張 ・TEM中温度可変計測・微小領域温度計測法 TEM内でナノ接合の局所的な加熱を実現するために、マイクロヒーターとマイクロ温度センサをMEMS対向針に集積した。試行実験として、シリコンナノワイヤにおける熱伝導を測定した。直径38nm以下で急激に熱伝導が小さくなることが確認できた。 ・分子ピンセット試料操作 液中で微小管の単分子を、分子ピンセット間に捕獲する手法を開発した。マイクロウォールの間に微小管を架橋し、その微小管に分子ピンセットを接近させる。分子ピンセット先端と微小管を接触させると、微小管が分子ピンセットに付着し単分子捕獲ができる。本手法により一本の微小管を分子ピンセット間に捕獲することに成功した。 ・ナノせん断破壊試験法 せん断破壊試験のために、2自由度のアクチュエータを集積したデバイスを開発した。試行実験として、シリコン対向針を用いてTEM内でナノ接合のせん断実験をTEM内で行った。この結果に対して、シリコン対向針によるせん断シミュレーションを行った。探針の衝突後、接触部にアモルファス領域が広がり接合が形成され、せん断変形により接合部が伸長する計算結果が得られた。 拡散接合機構の解明 金針とシリコン針を一つのデバイス内に精度よく集積したデバイスの開発を行った。針根元の構造を変えることで、片側に完全に金を含まないシリコン、もう片側に金の対向針をもつデバイスを作製した。常温計測としては、シリコン上の金ナノクラスターの拡散を観察した。 電気接点劣化機構の解明 ホットスイッチングによって金表面のナノスケール形状変化を観察した。曲率半径が1.3nmの針が接触・分離を繰り返すことで、針は0.3nmにまで鋭くなった。その直後、針の曲率半径は4.1nmにまで急激に丸くなった。この形状変化により針表面の金膜厚が薄くなった。
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