研究課題
新たに使用可能となったGaAs光電子倍増管を使って、側坐核MSN神経細胞の樹状突起スパインに対するSTDP刺激とドーパミン刺激による細胞内Ca2+, CaMKII及びPKA活性を蛍光比によるFRET測定を行った結果、遠位樹状突起ではドーパミンだけではPKA活性はあがらず、STDP刺激による細胞内カルシウム濃度が1秒程先行した場合のみドーパミンで十分なcAMPの産生が起き、これによりPKAの活性が上がり、CaMKIIのPP1による抑制がDRAPP32のリン酸化により脱抑制され、CaMKIIの活性化が強まり、スパインシナプスの増強を起こすことがわかった。ドーパミンがSTDPに先行したり、STDPからの遅延が長い場合には増強は起きない。これは、細い樹状突起ではcAMPを分解するPDEの活性が高く、cAMP濃度が低く保たれていることによると考えられた。この様に、高感度のGaAsP検出器を用いることにより、ThorndykeやPavlovによって100年前から見つかっていた行動から報酬への時間枠はスパインの運動性により説明されつ可能性が高いことがわかった。この時間枠をドーパミンが利用することにより、脳内報酬信号として機能する。これらの結果をScience誌に報告した。
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