研究課題
たんぱく質一分子でできた回転モーター(F1-ATPase)の出す回転力を、回転角の関数として求めた。回転子に磁気ビーズを付け、磁気ピンセットで弱い力で回してやると、ビーズの向きの磁場からのずれからF1の出す力が分かる。エネルギー変換の仕組みの基本を解明できた。また、回転子部分には、回転力発生に必須なアミノ酸残基は1つもないことも示せた。回転子としての機能は、大体の形だけが決めることになる。さらに、ATP合成酵素(F1はその一部)に付き、ATP駆動のプロトンポンプ活性を調べた。プロトン/ATP比を、初めて実験的に求めることができた。電位で開閉するイオンチャネルの、手動開閉に成功した。チャネルの電位センサー部分にハンドルを導入し、手動操作で引っ張ったところ、通常より数十mV低い膜電位の下でもチャネルが開いた。ただし極めて難しい実験で、必要な張力など定量的研究に進めるには、手法のさらなる改良が必要である。DNAの二重螺旋をさらにきつく巻く酵素(Reverse gyrase)の働きを、初めて一分子観察した。磁気ピンセットによりほどき気味にしてやると、さっと(従来の見積りより二桁速く)巻き上げる。助けるつもりできつく巻くと、今度は巻きすぎを検知して巻き戻す。わずかにきつく巻いた状態を保つことにより、DNAを保護すると思われる。作動機構のモデルを提出した。細胞分裂時に細胞をくびり切る、収縮環の再構成に成功した。細胞状のカプセルの中にたった3種類の要素(アクチン、ミオシン、アクチン束化因子)を封入するだけで、赤道部分にリング構造が自動的にできあがる。ミオシン濃度を上げると、このリングは自発的に収縮する。また、細胞分裂時の染色体を分配する装置である紡錘体において、染色体運搬に関わる分子モーターを同定した。さらに、Forminによるアクチン重合の単位ステップも検出できた。
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