研究課題
26Sプロテアソームは不要になった細胞内のタンパク質を選択的に分解するための大規模な細胞内装置である。本酵素は触媒機能を司る20S CP(Core Particle : 別名20Sプロテアソーム)の両端に調節ユニットである19S RP(Regulatory Particle)が会合した分子量250万の巨大で複雑な多成分複合体である。CPはα-Ringとβ-Ring(各々7種のα/βサブユニットから構成)がαββαの順で会合した円筒型粒子であり、RPは6個のATPase(Rpt1-6)と約15個のnon-ATPase(Rpn1-15)サブユニットがLid(蓋部)とBase(基底部)を構成している。本年、以下の4項目で顕著な成果を挙げた。(1)プロテアソームの遺伝学的研究においては、プロテアソーム分子集合因子(PAC1 : α-Ring形成因子)の条件的KOマウスを作出、このシャペロン依存性の20Sプロテアソーム形成がマウスの個体発生、脳の増殖・分化、肝臓の恒常性維持に必須であることを明らかにした。(2)われわれが作出した胸腺プロテアソーム欠損マウスと単一のMHCクラスI分子を持った遺伝子改変マウスとの交配実験から胸腺プロテアソームが胸腺におけるCD8^+Tリンパ球の正の選択を介したレパトア形成に関与していることを証明した。(3)オートファジー選択的基質であるp62がKeap1(酸化ストレス応答ユビキチンリガーゼ)に直接会合して(抗酸化/解毒応答)マスター転写因子Nrf2を解離・(核移行)活性化する新しいオートファジー障害依存性のストレス応答機構を発見した。(4)家族性パーキンソン病の原因遺伝子であるPINK1とParkinが介在したミトコンドリアの新しい品質管理(選択的オートファジーによる損傷ミトコンドリアのクリアランス/浄化)機構の発見とパーキンソン病の発症機構の解明に成功した。
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