研究課題/領域番号 |
21200001
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
守山 正胤 大分大学, 医学部, 教授 (90239707)
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研究分担者 |
白尾 国昭 大分大学, 医学部, 教授 (10467996)
竹内 一郎 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40335146)
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キーワード | アレイCGH / メチル化 / トランスクリプトーム / microRNA / バイオインフォーマテイクス / 抗がん剤感受性 / がん化学療法 |
研究概要 |
胃癌において、トランスクリプトーム解析ならびにmicroRNAの発現解析をマイクロアレイ用いて解析したところ、33microRNAが発現上昇し、39microRNAが発現低下することを発見した。発現低下する者の中でmiR-375が最も顕著に発現低下することを発見した。さらにmiR-375が発現低下した胃癌細胞に遺伝子導入して、その発現を補うと癌細胞がアポトーシスをおこして死滅した。興味深いことにmiR-375を遺伝子導入した胃癌細胞では、PDK1の発現低下を認めさらに、Actのリン酸化が低下することを見いだした。次にmiR-375の分子標的を同定するためにmiR-375を遺伝子導入した胃癌細胞としなかった同じ胃癌細胞のトランスクリプトーム解析を行って、発現低下する遺伝子を絞り込み、かつmiR-375の標的配列をそのmRNAに持っている遺伝子をスクリーニングして、14-3-3zetaがその候補であることを突き止めた。以上のことからmiR-375は胃癌の癌抑制遺伝子である可能性が示唆された。 腎癌において、同様に解析したところ、miR-210が発現上昇していることを発見した。興味深いことに、VHL遺伝子の変異した腎癌細胞では発現が上昇しており、発現上昇のない腎癌細胞にmiR-210を遺伝子導入すると分裂異常を引き起こすことを発見した。さらに染色体を解析したところ、中心体の増幅を引き起こすことを見いだした。miR-210を発現亢進する細胞ではaneuploidyを引き起こすことを発見した。さらにE2F3がmiR-210の分子標的であることも発見した。miR-210の発現上日が腎癌の悪性化に重要であるとの結論を得た。
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