研究概要 |
本提案の目的は,高速・超高速な形状計測センサの開発および,計測した形状データを用いた応用の研究を行うことである.提案する形状計測手法は,プロジェクタから固定したパターンを投影し,観測対象上に写ったパターンをカメラで観測することによって形状を復元する.単一画像から形状データを得られるため,ハイスピードカメラを用いることにより,高速な事象の観測が可能である.平成22年度までにおいて,基本となる計測手法が確立した.平成23年度には,下記に挙げる基本手法の拡張および,計測手法の応用について研究を行った.まず,これまで研究した手法によって,高フレームレートの映像を用いて形状計測が可能となったが,形状復元の計算に時間がかかっていた.平成22年度から研究してきた計算アルゴリズムの高速化を発展させ,並列計算性能に優れたGPUの計算能力を生かし,計算速度の向上を図った.また,これまで提案してきた形状復元方法は,投影したグリッドパターン上の形状データを生成するものであったが,平成23年度にはこれを高密度に補間することによって,密度が高い形状データを生成する手法を研究開発し,水面に起こる波などの細かな形状の計測に成功した.さらに,複数のカメラ,プロジェクタを利用した形状計測について平成22年度に研究を開始し,全周囲形状の計測を高速移動物体に対して適用できることを示した.平成23年度には,その全周形状システムを発展させ,すべてのカメラ・プロジェクタの情報を統合することによって,形状計測の精度を向上させる手法について研究した.その手法に基づいた全周形状計測システムを構築し,人の動きの計測あるいは,柔軟物体の計測によって,その運動のモデリングのためのデータ取得実験を行った.
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