研究課題/領域番号 |
21200007
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
助川 淳 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30187687)
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研究分担者 |
佐藤 岳哉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10312696)
倉増 敦朗 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90302091)
斎藤 将樹 東北大学, 国際高等研究教育機構, 助教 (50400271)
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キーワード | 受容体 / 細胞内輸送 / 細胞表面発現 / シグナル複合体 |
研究概要 |
本研究は、ヒスタミンH3受容体を例として、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)、またGPCRシグナル複合体が、小胞体から細胞表面に輸送される分子メカニズムを明らかにする事、特に受容体のカルボキシ末端細胞質内ドメインに結合するタンパク質の機能を明らかにする事を目的としている。 H3受容体との相互作用が確認されているCLIC4・DRiP78・PhLPについて、ヒスタミンH1、及びH4受容体とのインビトロでの結合能を解析した結果、各受容体がそれぞれの分子に対して異なる結合活性を示したことから、各受容体の細胞内輸送が、それぞれ特異的なタンパク質相互作用によって制御されている事が示唆された。 今年度は特にDRiP78のH3受容体に対する生理的機能について解析を行った。抗DRiP78特異的抗体、アデノウイルスを使用した高効率発現系を作成し、DRiP78過剰発現によるH3受容体の細胞表面発現に与える影響を解析した。その結果、DRiP78発現量依存的に細胞表面H3受容体量、また細胞内H3受容体総量が減少する事が明らかになった。種々の薬理学的阻害剤を用いた解析の結果、これらの変化が、受容体が小胞体で合成された後、細胞表面に輸送されるトラフィッキング経路の途中で分解系に導かれるためである事が明らかとなった。さらにこの分解が、通常の膜タンパク質が分解されるリソゾームではなく、プロテアソームによるものであることも明らかにされた。この事から、H3受容体の活性発現が、受容体分子の細胞表面への細胞内輸送調節によっても制御されている事が新たに示唆された。
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