研究課題/領域番号 |
21200008
|
研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
松葉 敬文 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 准教授 (00295619)
|
研究分担者 |
蔵 研也 , 経済情報学部, 准教授 (80278275)
佐藤 淳 , 経済情報学部, 准教授 (70267920)
|
キーワード | テストステロン / リスク / レベルK / 脳波 / 計算負荷 |
研究概要 |
平成21年度の研究では、本研究の開始前より行っていた、1)テストステロンを中心とした生理化学物質と経済的選択行動(リスク選択)の相関調査に関する実験調査と、2)レベルK推測と脳波に関する実験調査の二点を再検討しつつ日本経済学会(春期大会)で報告した。これらの研究は、合理的思考における実質的な限界や制約を与える物質について調査し、経済学が伝統的に想定している"思考"に対する条件付けを具体的に数値化するための基礎研究を企図している。本来の本年度の研究計画では、生理化学物質とリスク選択の実験調査について被験者数を拡大した実験によりデータの蓄積に努め、分析精度を高める予定となっていたが、生理化学物質調査に関する研究については非常に近接した内容の論題がSapienza et al.(PNAS, Sep 2009)により報告された。これを受け当初の予定を修正し、生理化学物質に関する関連論文の文献調査等(オキシトシンと選択行動に関する研究調査のため、クレアモント大学神経経済学研究センター(米国)を訪問し研究状況の視察を行っている)と、レベルK推測に関する脳波解析実験のプロトコルを精緻化することを平成21年度後半期の目的とした。また、選択行動における思考過程の変化を調査するための脳波計測実験と並行し、fMRIを用いて部位の特定を目指すための刺激提示法を検討するため、fMRIの解析技能研修や刺激提示プログラミングの実技研修を専門機関で受講している。一方、神経伝達物質であるオキシトシンと経済的選択行動の相関を調査する実験を行うため、採血を伴う実験の申請を実験倫理審査委員会に提出したが、万が一の事故発生時の対応計画が不備であるとの指摘をうけ審査保留の扱いとなった。これを受け、実験の実施に伴う行動指針を整え、実験環境の整備を行っている。
|