研究概要 |
FOXP2のR553Hの変異は言語障害の原因であり、進化過程でのヒトFOXP2の2アミノ酸の置換は言語獲得と密接に関連している。Foxp2(R552H)-KIマウスの解析により、ヒト調音(articulation)機能とマウス超音波音声(USV)機能との間にFoxp2を共通基盤が存在することが明らかとなった(PNAS 2008)。本研究はUSV障害のFoxp2(R552E)マウス小脳にヒトFOXP2を発現させたTgマウスを解析し、USVと言語に関与する分子機構を明らかにする ●言語障害をともなうヒト自閉性疾患のシナプス不全に着目し、小脳が関与する言語障害と関連シナプスとの関係を明らかにした(Fujita(Jimbo)E et al.,PLOS One 2012) ●プルキンエ細胞に特異的なPcp2/L7プロモーターを用いて、MycTagを付加したヒトFOXP2をFoxp2(R552H)-KIホモマウスを小脳に発現させたあ(Fujita(Jimbo)E and Momoi T投稿中)Tgマウスを解析した。 1.マイクロアレイ解析,Real-PCR法にて、小脳でFoxp2が発現制御する遺伝子として、自閉性障害の原因遺伝子でもあるCNTNAP2を明らかにした(Fujita(Jimbo)E et al.,Neurosci.Lett.2012)。小脳発達過程で、USV獲得時期、新たに発現するFoxp2のアイソフォームがプルキンエ細胞の樹状突起形成と関連していること明らかにした(Tanabe Y et al.,J.Neurochem.2012) 2.Pull-down法や酵母Two-Hybrid法を用いてFoxp2と結合する蛋白としてPOT1を明らかにした(Tanabe Y et al.,FEBS Letter 2012)。
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