研究課題
本申請では、局所の脳内温度が神経活動に依存しダイナミックに変動することを解き明かし、脳内温度が神経興奮を制御する主要因子であることを明らかにすることを目的としている。昨年度は、任意に局所脳内の温度を変化させることが出来る脳内温度可変装置の開発に成功した(特許出願中)。現在、脳内温度の加温あるいは冷却に伴い、神経活動がどのように変化するのかを脳波測定を併用することで調べている。本年度は脳内温度と神経活動の機能連関を分子レベルで明らかにしていく予定である。また、生体では侵害熱センサーとして機能しているTRPV2(52℃以上で活性化)が胎児の神経においてメカノセンサーとして使われ、神経回路形成を促していることも明らかとした(毎日、読売、日経新聞などやYahooトップニュース、NHKニュースなどで報道された)。この研究を発展させ、消化管の神経に発現するTRPV2もメカノセンサーとして機能しており、消化管の蠕動運動を調節していることを見いだした(毎日、日経新聞などで報道された)。さらに、TRPV1が糖尿病初期の糖尿病性神経変性症に伴う痛み感覚の増大に関与していることを見いだし(PAIN誌の表紙として紹介された研究成果)、糖尿病性神経変性症の治療法開発に道を開いた。
すべて 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (6件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
Neuroscience Letter
巻: (未定 印刷中)
PAIN
巻: 152(データが表紙に採用された) ページ: 936-45
The Journal of Neuroscience
巻: 30 ページ: 16536-44
巻: 30 ページ: 4601-4612
Journal of Biological Chemistry
巻: 285 ページ: 17277-81
http://www.nips.ac.jp/cs/sibaHP/shibasaki.html