研究課題/領域番号 |
21200022
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
玉井 信 東北大学, 大学院・医学系研究科, 名誉教授 (90004720)
|
研究分担者 |
今村 一之 前橋工科大学, 工学部, 教授 (30203326)
菅野 江里子 東北大学, 国際高等研究機構, 助教 (70375210)
砂金 ひとみ 東北大学, 国際高等研究機構, 技術補佐員 (30400451)
|
キーワード | チャネルロドプシン / 網膜色素変性症 / 空間周波数特性 / 波長感受性 / 視覚再生 |
研究概要 |
緑藻類クラミドモナス由来のチャネルロドプシン-2(ChR2)をアデノ随伴ウイルスベクターを用いて遺伝盲ラットの網膜神経節細胞に導入することによって視機能を回復できることを明らかにしている。また、昨年度、ChR2トランスジェニックラットを用いて、回復される視機能を行動学的に調べ報告した。本年度は、新たに作製した波長感受性の異なる改変型チャネルロドプシン(mVChR2)の光特性を電気生理学的に調べた。 改変型VChR2をCAGプロモーター、IRES2、およびピューロマイシン耐性遺伝子を持つプラスミドベクターに組み込み、HEK293細胞にエレクトロポレーション法によって導入した。遺伝子導入後、ピューロマイシンを含む培地で選択培養を行い、mVChR1を発現する細胞のみを選択培養した。mVChR1を発現するHEK293細胞の各波長光に対する応答をパッチクランプ法によって調べた。mVChR1-HEK293細胞は、450nmから600nmまで幅広い波長光に応答した。また、ボルボックス由来の青型チャネルロドプシン(VChR2)を同様の方法で改変体を作製し、波長特性を調べたところ、波長特性は改変前と同等であった。しかし、その光反応性は改変体で有意に高かった。改変型mVChR1,2の細胞内での局在をしらべたところ、いずれの改変体も改変前に比べ、細胞内での顆粒状の蓄積が減少し、細胞膜に局在化していることが分かった。 今回作製したmVChR1は、幅広い波長感受性を持ち、特に白色光に高い応答性を示すことから、今後、視覚再生に有用な遺伝子として利用できると考えられる。
|