研究課題
1.神経筋接合部の逆行性シグナル分子の同定と機能解析、および筋萎縮についての解析(1)作成したシビレエイ電気器官の発現遺伝子データーベース作成解析、筋萎縮を誘導したマウス筋組織のマイクロアレーのデーター解析を行い、逆行性シグナル分子の候補を絞りリコンビナント蛋白も作成した。(2)1つの候補遺伝子についてノックアウトマウス・薬剤誘導性のコンディショナルノックアウトマウスの作成を完成させて機能解析を遂行している。(3)マウス胎児の脊髄から運動神経細胞の初代培養法を確立して、リコンビナント蛋白を添加して機能解析を行い、候補分子を見いだした。(4)Muscle specific kinaseが神経筋シナプスを介した筋から運動神経終末への逆行性シグナルの誘導・制御しており、その機能を抗体で阻害すると筋力低下・筋萎縮を誘導する新しい疾患動物モデルを作成し報告した(Mori et al.The Am J of Pathol,2012)。発症の新しい分子機構を発見してモデルを提唱し(Mori et al.J Neuroimmunol.2012.a)、さらに神経終末の機能を改善する薬物を発見し報告した(Mori et al.J Neuroimmunol.2012.b)。
本課題により、マウスの全筋線維タイプを生体で観察することができる可視化マウスを作成することに成功した。このマウスを使い、サルコペニア(加齢性筋肉減少症)や神経筋難病により誘導される筋の代謝変化の分子機構を解明する。筋から運動神経側への逆行性シグナル分子を探索するために、データーベースを作成した。既に見いだした候補分子に加え新たな因子を検索して運動神経細胞を使った機能解析を遂行する。MuSKの機能抑制を抗体で誘導して、筋萎縮を誘導する疾患モデルマウスを使い未同定逆行性シグナル分子の機能を明らかにする。筋萎縮のバイオマーカーの測定システムを作ることに成功したので、今後は臨床開発研究を進めていく。
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http://www.tmghig.jp/J_TMIG/j_research/DA33.html