• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

ITACOによる新しい地誌学の創生と地域の人縁生成に関する試行研究

研究課題

研究課題/領域番号 21200024
研究機関大阪市立大学

研究代表者

若松 司  大阪市立大学, 都市研究プラザ, 研究員 (10514888)

研究分担者 福本 拓  大阪市立大学, 都市研究プラザ, 研究員 (50456810)
熊谷 美香  大阪市立大学, 都市研究プラザ, 研究員 (60527779)
キーワード新しい地誌学 / 教奇 / ゲニウス・ロキ / 「見える化」 / マイノリティ / 社会的包摂 / 在日コリアン / 同和地区
研究概要

地理情報システム(GIS)をはじめとして、地図化に資する地域のミクロなさまざな情報の収集を通じて、地域における確かな知の獲得をめざすITACOシステムの【フェーズI:地域のかたちの見える化】の作業に、各チームが没頭した初年度となった。
まずインフラとして、地域に貢献する人材の育成を目指す教育システム(ITACO)を構築するための情報環境整備を重点的に行い、拠点とする都市研究プラザと連携する地理学教室において、GIS教育の環境を構築した。ソフト面では、研究フィールドの進捗状況に合わせてコンテンツ作成や教育実践イベントの調整・開催などを同時並行的に行った。平成22年度の具体的な成果は、以下に示すとおりである。
和歌山県新宮市ではe-learningによる地域教育教材の作成を試行し、他のフィールドでも同様に、映像資料の作成やそれを用いた教育研修の企画を実施し、今後の継続的な教材開発と研修プログラムの開発へとつながることが確認された。
大阪市生野区の在日コリアン集住地区では、社会福祉協議会や地元NPO団体との協働の下、社会問題の存在を住民に正確に認知をしてもらうために展示企画を実施し、地図が地域の知の発見と確認にもたらす効果を確認した。
大阪市西成区では、広義の社会教育を実践する複数の既存民間団体との調整を行って、次年度にコンテンツ制作と教育実践を連動させたイベントの実施可能性を探った。広島市では、在日コリアンコミュニティ、とりわけバラックの撤去に関わる新聞記事を集成した出版物を刊行した。
この他、海外での事例研究と国内との比較研究を行うために、都市研究プラザ主導の社会的包摂に向けた取り組みが進められている豪州・メルボルン大都市圏を対象とする調査を行った。社会的排除の現状に関するインタビュー調査のほか、関係諸団体と大学との連携のあり方について、現地のキーパーソンと意見交換をした。

  • 研究成果

    (19件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 図書 (1件) 備考 (11件)

  • [雑誌論文] 東京および大阪における在日外国人の空間的セグリゲーションの変化-「オールドカマー」と「ニューカマー」間の差異に着目して-2010

    • 著者名/発表者名
      福本拓
    • 雑誌名

      地理学評論 (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ナイスダイアログ:社会的支援というありかた2010

    • 著者名/発表者名
      水内俊雄
    • 雑誌名

      なび 38

      ページ: 1-4

  • [学会発表] 「人権」「共生」を超えて2009

    • 著者名/発表者名
      福本拓
    • 学会等名
      2009年笠置町・合同研修会
    • 発表場所
      笠置町立笠置会館
    • 年月日
      2009-12-04
  • [学会発表] 西成区における健康と生活の相関について2009

    • 著者名/発表者名
      若松司
    • 学会等名
      人文地理学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2009-11-08
  • [学会発表] 大阪市における集合住宅の建設による居住地域構造の変化-民間・公的セクター別にみた分析2009

    • 著者名/発表者名
      福本拓・熊谷美香
    • 学会等名
      2009年度日本地理学会秋季学術大会
    • 発表場所
      琉球大学
    • 年月日
      2009-10-25
  • [学会発表] 日朝間の「密航」をめぐる経験-排除の客体か、変革の主体か?2009

    • 著者名/発表者名
      福本拓
    • 学会等名
      シンポジウム『日本帝国崩壊と人口移動・引揚げ、送還そして残留』
    • 発表場所
      北海道開拓記念館
    • 年月日
      2009-08-23
  • [学会発表] 新宮市地域就労事業の分析2009

    • 著者名/発表者名
      若松司
    • 学会等名
      NPOオーシャンネット研修会
    • 発表場所
      新宮市下田隣保館
    • 年月日
      2009-06-15
  • [図書] 戦後広島のマイノリティの立ち退き関係新聞記事資料集2010

    • 著者名/発表者名
      広島韓国・朝鮮社会研究会
    • 総ページ数
      1068
    • 出版者
      広島韓国・朝鮮社会研究会
  • [備考] 以下に示すのは、研究から得られた成果を整理し、シンポジウム・ワークショップや地域イベント、インターネットを介したコンテンツ公開等により、住民への展示や彼らの参加意欲の喚起、および、社会問題の「見える化」に向けた住民との協働関係の構築に取り組んだ実践例である。これらの多くは、「地域のかたちの見える化」と大学・地域関係者との協働関係の構築に関わっている。

  • [備考] ■もうひとつの「水都大阪2009」龍王宮プロジェクト祝祭(2009年8月)

  • [備考] 在日コリアンによる祭礼の場所の歴史を掘り起こし、その意味を広く知ってもらうイベント。本研究からは、展示技術を提供した。

    • URL

      http://blog-imgs-30.fc2.com/k/o/c/kocoken2009/20090811222420735.jpg

  • [備考] ■阿倍野Religionカフェ

  • [備考] (概要)宗教を基軸とした地域づくりと住民との協働関係の構築(おおむね月1回開催)。

    • URL

      http://abenoreligion.jugem.jp/

  • [備考] ■新宮市での人権教育・啓発推進活動

  • [備考] (概要)パンフレット作成のほか、新宮市新人職員研修への協力

    • URL

      http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/geo/mizuuchi/japanese/material/ShinguJinkenLeaf.pdf

  • [備考] ■GISを活用したビデオ・オン・デマンドの地域教育コンテンツの作成(新宮市)

  • [備考] (概要)新宮市の限界集落を事例に、大学生・住民をターゲットとした教育コンテンツを作成した。

    • URL

      http://www.osaka-sfk.com/shingu/

  • [備考] ■「写真経験の社会史」シンポジウム(2010年3月)

  • [備考] (概要)学際的な立場から「写真経験」の諸相を洗いだし、「写真資料論」の可能性を展望した。

    • URL

      http://www.ur-plaaa.osaka-cu.ac.jp/2010/02/27/photograPhy20100327.pdf

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi