研究課題/領域番号 |
21200024
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
若松 司 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 研究員 (10514888)
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研究分担者 |
福本 拓 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 研究員 (50456810)
熊谷 美香 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 研究員 (60527779)
原口 剛 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 研究員 (40464599)
白波瀬 達也 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 研究員 (40612924)
本岡 拓哉 同志社大学, 人文科学研究所, 助教 (60514867)
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キーワード | 新しい地誌学 / 教育 / ゲニウス・ロキ / 「見える化」 / マイノリティ / 社会的包摂 / 在日コリアン / 同和地区 |
研究概要 |
平成23年度は、地誌を通じた人縁生成の中でも、特に住民による関与の度合いの強化に力点を置いた研究を進めてきた。 第一に、日雇い労働者集住地区を取り上げた『釜ヶ崎のススメ』(洛北出版)の刊行が挙げられる。これは、研究者による地誌編纂という性格を持ちつつも、地域住民による実際の活用を目指した「地域の教科書」、作りの成果でもある。 第二に、昨年度から引き続き、大阪市阿倍野区では「阿倍野Religion Cafe」を月一回ペースで開催し、さまざまな宗教研究者・宗教者を招き、宗教を基軸とした新たな社会関係形成の試みを継続している。本年度の取り組みでは、長屋という限られた、しかし有機的なスペースが、「学びの場」として機能する上で重要なことが明らかとなった。 第三に、多様な社会的背景を持つ人々が存在し、かつ震災を経験した神戸市長田区を事例に、異なる人々が共に集う「共在」をキーワードとし、多様な人々が交差する空間/場所の記憶を学際的な手法によって記録・編纂する試みを行った。その特筆すべき成果としては、報告書『まちかどの記憶とその記録のために-神戸長田から/へ』の出版が挙げられる。 第四に、昨年度から継続した大阪府東大阪市での社会運動データベース化について、データベース活用に伴って生じた諸課題を、特に運動を構成してきた人々の社会関係や地域性との関連から明らかにし、今後の住民主体での取り組みの方向性を整理した。同じ継続事業として、新宮調査は紀伊半島でのみどりの雇用による地域定着の現状と、可能性の調査も行われ、年度を越すが報告書として上辞する予定である。 これら以外にも、新たな取り組みとして、郊外での「多文化共生」を基軸とした持続可能なコミュニティ構築に向けた調査研究(三重県四日市市)、海外の事例研究(豪・メルボルン市での社会的包摂に向けた大学・地域連携の実態)でも成果を上げた。
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