研究課題/領域番号 |
21200039
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
清澤 秀孔 独立行政法人理化学研究所, 生体情報統合技術開発チーム, 開発研究員 (30295422)
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研究分担者 |
河合 剛太 千葉工業大学, 工学部, 教授 (70211860)
牛田 千里 弘前大学, 農業生命科学部, 准教授 (50250593)
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キーワード | アンチセンスRNA / 低分子RNA / non-codin RNA / NMR / 立体構造 / SAT(センス-アンチセンス転写産物) |
研究概要 |
60-100ヌクレオチド(nt)程度の低分子RNAの存在の普遍性及び、アンチセンス転写との関連性を解析するため、センス鎖とアンチセンス鎖の重なりを考慮した部分にプローブを設計したマイクロアレイを作製した。このマイクロアレイを用い、通常のRNA及び分画した低分子RNAをターゲットとして解析を行い、有意に低分子RNAのシグナルの高いプローブを選定した。今後はノーザン解析による低分子RNAの確認を行う予定である。また、次世代シークエンサーによるcDNA解析の結果得られたマウス新規RNA候補については、それぞれの発現と大きさをノーザン解析により確認することに着手した。数千にのぼる候補について、読まれた回数、配列情報、cDNAの長さをもとに、実験対象を50種類に絞り込んだ。マウスから臓器別(11組織)にRNAを調製し、ノーザンプロッティングの試料とした。特定のセンス-アンチセンス遺伝子座において、互いのエクソン配列が重なる領域に位置するオリゴプローブ(P1及びP2)によってノーザン解析より既に発現が確認されている低分子RNAに関しては、ソフトウエアvsfoldによる二次構造の予測結果を指標に発現領域を推定した結果、P1については2つの候補(P1-1とP1-2)、P2については一っの候補(P2-1)が得られた。それぞれについて実際にT7 RNAポリメラーゼを用いた試験管内転写によってRNAを調製し、そのNMRスペクトルを測定した。二次構造の形成を反映するイミノプロトン領域のスペクトルを比較検討した結果、P1-2(89nt)に対してP1-1(81nt)の方がより安定な二次構造を形成していることがわかり、P1-1のRNAが発現している可能性が示唆された。P2-1(97nt)については、二次構造予測によってGC塩基対からなる長いステムの存在が推定されたが、NMRスペクトルの解析によってもGC塩基対からなるステムの形成が確認された。今後は、Pl-1の立体構造解析を試みる予定である。
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