研究課題
平成21年度11月から全システムが稼働した名古屋大学情報基盤センターの新スーパーコンピュータFujitsu HX600およびFX1において、既存の2次元衝撃波静止系粒子コードのスカラチューニングを行った。ソーティングアルゴリズムなどを導入して、従来の計算速度に対して約3倍の高速化に成功した。次に、高速化したコードを用いて低マッハ数垂直衝撃波の大規模2次元シミュレーションを行い、衝撃波面に生じる波打ち(ripple)がイオン慣性長の5倍程度の波長を持つこと及び、rippleによって粒子の加熱と散逸の効率が上がることを明らかにした。さらに、衝撃波上流で観測される電子プラズマ放射に着目した電子ビーム不安定性の2次元粒子シミュレーションを行った。まず、半平行方向に伝搬する2つの電子プラズマ波動の3波共鳴によって、プラズマ周波数の2倍の周波数で電波放射が起こることを確認した。次に、電子ビーム不安定性によって励起された電子プラズマ波動が後方散乱される過程ついて調べた結果、大振幅電子プラズマ波のパラメトリック崩壊によって励起する前進イオン音波と後進電子プラズマ波の振幅は非常に小さいことが明らかとなった。一方で、イオン音波の熱雑音によって直接後方散乱された電子プラズマ波の振幅のほうが大きくなることがわかり、このシミュレーション結果は、従来の理論から推測されていると電子プラズマ放射過程とは大きく異なっている。
すべて 2011 2010 2009
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)
Planetary and Space Science
巻: 59 ページ: 449-455
Journal of Geophysical Research
巻: 115 ページ: A01204-1-A01204-6