研究課題
衝撃波静止系粒子コードを用いた大規模2次元シミュレーションにより、限られた計算機リソースにおいてイオンと電子のスケール間の物理過程の結合を直接解き進めることが可能となった。特に、低マッハ数垂直衝撃波において現れる衝撃波面の周期的な時間変動(再形成)と空間的な波打ち(リップル)が衝撃波構造と粒子の散逸に与える影響について解析を行い、リップルの出現によって衝撃波再形成の周期が変化すること及び、電子が磁力線方向に強く加熱されることを明らかにした。また過去の研究では、衝撃波の再形成の有無が衝撃波の法線方向と磁場のなす角(衝撃波角)に依存していることが示唆されていたため、本研究では衝撃波角の異なる2次元シミュレーションを数例行い、それらを直接比較した。その結果、衝撃波角が90度に近い垂直衝撃波では再形成とリップルの物理過程においてほとんど違いがなく、衝撃波角依存性は小さいことがわかった。更に、過去の研究において衝撃波角依存性として誤認されていた要因は、衝撃波面の電磁場の時系列データの取り扱いに違いがあったためであることを同定した。即ち、衝撃波面に平均化した時系列データを解析した場合、リップルによって位相が異なった再形成を平均化することによって見掛け上、衝撃波再形成が抑制されたように見え、衝撃波面のある局所的な時系列データを解析した場合はリップルによって周期が変化した再形成が見える。
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Planetary and Space Science
巻: 59 ページ: 449-455
Journal of Geophysical Research
巻: 115 ページ: A10250-1-A10250-15