ヘテロ複核金属錯体を触媒として用いる二酸化炭素の資源化

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21200057
• 研究種目: 新学術領域研究(研究課題提案型)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 環境関連化学; エネルギー学
• 研究機関: 分子科学研究所
• 研究代表者: 永田 央 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 准教授 (40231485)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• キーワード: 脱化石燃料 / 二酸化炭素削減 / 炭素循環 / 光合成

研究概要

電気分解・光反応による二酸化炭素の還元反応を実現するための手法・物質開発を行った。以下の成果が得られた。
・金属錯体触媒による電解反応の生成物について、気相・溶液相のそれぞれを自動的にサンプリングして分析する手法を確立した。
・「二成分結合型配位子」という新たなコンセプトを用いて、コバルト・ニッケル等第一遷移金属錯体の合理的設計と合成に成功した。これらの錯体は酸化還元サイクルを繰り返しても安定であり、電解触媒に適している。また、これらの錯体を用いた光反応や、複核錯体への展開にも成功した。
・キノン/ヒドロキノン酸化還元系を用いた新たな光反応を開発した。この光反応系は二酸化炭素の捕捉・還元に対して有用である。

研究成果

• [雑誌論文] Syntheses, Properties and Photoreactions of the Hybrid Molecules Consisting of a CoII Mononuclear Complexes and Porphyrins (2012)
  • 著者名/発表者名: H. Kon and T. Nagata
  • 雑誌名: Chem. Eur. J. 巻: 18 ページ: 1781-1788
  • DOI: DOI:10.1002/chem.201100502
• [雑誌論文] Highly Pure Synthesis, Spectral Assignments, and Two-Photon Properties of Cruciform Porphyrin Pentamers Fused with Benzene Units (2010)
  • 著者名/発表者名: Hiroki Uoyama, Kil Suk Kim, Kenji Kuroki, Jae-Yoon Shin, Toshi Nagata, Tetsuo Okujima, Hiroko Yamada, Noboru Ono, Dongho Kim, Hidemitsu Uno
  • 雑誌名: Chem. Eur. J. 巻: 16 ページ: 4063-4074
  • DOI: DOI:10.1002/chem.200903196
• [雑誌論文] The fabrication and single electron transport of Au nano-particles placed between Nb nanogap electrodes (2010)
  • 著者名/発表者名: Takayuki Nishino, Ryota Negishi, Masahiro Kawao, Toshi Nagata, Hiroaki Ozawa, Koji Ishibashi
  • 雑誌名: Nanotechnology 巻: 21 ページ: 225301(6pp)
  • DOI: DOI:10.1088/0957-4484/21/22/ 225301
• [雑誌論文] Fabrication of Microspheres from Phthalimide- Substituted Porphyrin Derivatives (2010)
  • 著者名/発表者名: Hiroaki Ozawa, Masahiro Kawao, Toshi Nagata, Shigeyasu Uno, Kazuo Nakazato
  • 雑誌名: Chem. Asian J. 巻: 5 ページ: 2393-2399
  • DOI: DOI:10.1002/ asia.201000413
• [学会発表] ポルフィリンを連結した2種のキノンを有するデンドリマー状キノンプール分子の合成とその性質 (2012)
  • 著者名/発表者名: 河尾真宏、永田央
  • 学会等名: 日本化学会第92春季年会
  • 発表場所: 慶応大学
  • 年月日: 2012-03-25
• [学会発表] N4架橋部位を有する新規三成分連結型配位子とその複核錯体の合成 (2012)
  • 著者名/発表者名: 今宏樹、永田央
  • 学会等名: 日本化学会第92春季年会
  • 発表場所: 慶応大学
  • 年月日: 2012-03-25
• [学会発表] フタロシアニンの光増感によるキノンの還元反応 (2012)
  • 著者名/発表者名: 遊佐仁暁、永田央
  • 学会等名: 日本化学会第92春季年会
  • 発表場所: 慶応大学
  • 年月日: 2012-03-25
• [学会発表] Synthesis, Properties and Photoreactions of the Hybrid Compounds Consisting of Cobalt(II) and Porphyrins (2012)
  • 著者名/発表者名: H. Kon and T. Nagata
  • 学会等名: The Winter School of Asian-Core Program in Beijing
  • 発表場所: 中国科学院
  • 年月日: 2012-02-19
• [学会発表] Building Photosynthesis from Synthetic Organic Molecules (2012)
  • 著者名/発表者名: T. Nagata
  • 学会等名: The Winter School of Asian-Core Program in Beijing
  • 発表場所: 中国科学院
  • 年月日: 2012-02-19
• [学会発表] ポルフィリンを連結したキノンプール分子の合成とその性質 (2011)
  • 著者名/発表者名: 河尾真宏、永田央
  • 学会等名: 錯体化学会第61回討論会
  • 発表場所: 岡山理科大学
  • 年月日: 2011-09-17
• [学会発表] フタロシアニン・キノンプール結合化合物の合成 (2011)
  • 著者名/発表者名: 遊佐仁暁、永田央
  • 学会等名: 錯体化学会第61回討論会
  • 発表場所: 岡山理科大学
  • 年月日: 2011-09-17
• [学会発表] N4架橋部位を有する新規三成分連結型配位子とその複核錯体の合成 (2011)
  • 著者名/発表者名: 今宏樹、永田央
  • 学会等名: 錯体化学会第61回討論会
  • 発表場所: 岡山理科大学
  • 年月日: 2011-09-17
• [学会発表] コバルト(II)単核錯体とポルフィリンからなる複合型錯体を用いた新規光反応 (2011)
  • 著者名/発表者名: 今宏樹、永田央
  • 学会等名: 日本化学会第91春季年会
  • 発表場所: 神奈川大学(震災のため予稿集にて発表)
  • 年月日: 2011-03-26
• [学会発表] ポルフィリンを連結した2種のキノンを有するキノンプール分子の合成とその性質 (2011)
  • 著者名/発表者名: 河尾真宏、今宏樹、永田央
  • 学会等名: 日本化学会第91春季年会
  • 発表場所: 神奈川大学(震災のため予稿集にて発表)
  • 年月日: 2011-03-26
• [学会発表] 金属フタロシアニンを用いた新しい光反応 (2011)
  • 著者名/発表者名: 遊佐仁暁、永田央
  • 学会等名: 日本化学会第91春季年会
  • 発表場所: 神奈川大学(震災のため予稿集にて発表)
  • 年月日: 2011-03-26
• [学会発表] Single-Molecular Quinone Pools: A Synthetic Model of Biochemical Energy (2010)
  • 著者名/発表者名: T. Nagata, M. Kawao, H. Kon
  • 学会等名: The 70th Okazaki Conference "Molecular Mechanism of Photosynthesis: the Present Research and Future Prospects"
  • 発表場所: 岡崎コンファレンスセンター
  • 年月日: 2010-12-06
• [学会発表] Synthesis, properties and photoreactions of the hybrid compounds consisting of cobalt{II} and porphyrins (2010)
  • 著者名/発表者名: Hiroki Kon, Masahiro Kawao, Toshi Nagata
  • 学会等名: The 70th Okazaki Conference "Molecular Mechanism of Photosynthetic Energy Conversion: The Present Research and Future Prospects"
  • 発表場所: 岡崎コンファレンスセンター
  • 年月日: 2010-12-06
• [学会発表] Synthesis of porphyrin-linked single-molecular quinone pools containing two different quinones and their properties (2010)
  • 著者名/発表者名: Masahiro Kawao, Hiroki Kon, Toshi Nagata
  • 学会等名: The 70th Okazaki Conference "Molecular Mechanism of Photosynthetic Energy Conversion: The Present Research and Future Prospects"
  • 発表場所: 岡崎コンファレンスセンター
  • 年月日: 2010-12-06
• [学会発表] 金属フタロシアニンを用いた新しい光反応 (2010)
  • 著者名/発表者名: 遊佐仁暁、永田央
  • 学会等名: 第60回錯体化学討論会
  • 発表場所: 大阪国際交流センター
  • 年月日: 2010-09-28
• [学会発表] 2種のキノンを有するポルフィリン-キノンプール分子の合成とその性質 (2010)
  • 著者名/発表者名: 河尾真宏、今宏樹、永田央
  • 学会等名: 第60回錯体化学討論会
  • 発表場所: 大阪国際交流センター
  • 年月日: 2010-09-27
• [学会発表] 2種のキノンを有するポルフィリン-キノンプール分子の合成とその性質 (2010)
  • 著者名/発表者名: 河尾真宏、今宏樹、永田央
  • 学会等名: 日本化学会第90春季年会
  • 発表場所: 近畿大学
  • 年月日: 2010-03-27
• [学会発表] コバルト(II)単核錯体とポルフィリンユニットが連結した複合型錯体の合成と性質 (2010)
  • 著者名/発表者名: 今宏樹、河尾真宏、永田央
  • 学会等名: 日本化学会第90春季年会
  • 発表場所: 近畿大学
  • 年月日: 2010-03-27
• [学会発表] 二成分結合型配位子を用いたコバルト単核錯体の構造と酸化還元的性質 (2009)
  • 著者名/発表者名: 今宏樹、河尾真宏、三浦崇宏、永田央
  • 学会等名: 第59回錯体化学討論会
  • 発表場所: 長崎大学
  • 年月日: 2009-09-25
• [備考]
  • URL: http://licht.ims.ac.jp/