研究概要 |
22年度は,インドネシア・西カリマンタン州ポンティアナック近郊の泥炭湿地11万haを研究対象地として設定し,観測したCO2フラックスデータの解析1地点に水・熱およびCO2フラックス観測所,周囲の1地点に簡易気象観測,および4地点に地下水位・水位計を設置し,地上における水・熱・CO2動態の計測を開始し,一年間のデータを蓄積した.同時に衛星データALOS-AVNIR2(解像度:10m)およびPALSAR(解像度:6.25m)を用いて土地被覆解析を行なった.用いて,植生分布(土地被覆分類)解析および,雨季における水面の特定を行った.これらの解析は現地受け入れ先の住友林業との共同作業で行ったものである.次に衛星画像解析より得られた水面分布と植生図,標高データSRTMのGIS解析により,フラックス・気象観測所,地下水位,水質観測所の設置場所の適地検出を行った.また現在二次林が広がる地域を水・熱およびCO2フラックスの観測場所に設定した16mのフラックスタワーのほか,新たに地上25mのフラックスタワーを設置し観測を開始した.プランテーション開始以前の二次林のデータに加えて,プランテーション実施前後のCO2フラックスの変化を観測することが期待される. 現在観測された水文・気象データをもとに泥炭地の水動態モデルを構築中であり,衛星解析データを合わせることで広域の水動態を把握することが期待される.この成果は林業会社を通じて実際の泥炭地林業施業にも還元されており,持続的な泥炭地管理手法の構築を目指して共同研究を進めている.
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