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2010 年度 実績報告書

新しい生理活性脂質放出輸送系の網羅的探索と輸送体構造に基づく普遍的輸送機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21200071
研究機関大阪大学

研究代表者

西 毅  大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (60403002)

キーワードスフィンゴシン1リン酸 / 輸送体 / 赤血球 / FTY720 / 免疫抑制剤 / ABCトランスポーター / スフィンゴ脂質 / コレステロール
研究概要

我々はオーファン輸送体の中から生理活性脂質の輸送体を探索し、生理機能の解明を進め、並行してその3次元構造を明らかにすることで、両親媒性情報伝達物質輸送体の多様性と普遍性を明らかにし、細胞間情報伝達の研究に新たな領域を確立することを目指している。本年度はスフィンゴシン1リン酸(S1P)に光架橋剤を結合させた化合物を用いたアフィニティーラベリングにより見いだした蛋白質を同定し、そのタンパク質のS1P輸送活性を調べたが、有為な活性は見いだせなかった。
また我々は昨年度ヒトS1P輸送体SPNS2がDH-S1Pを輸送する活性があることを明らかにした、そこで本年度は他の生理活性脂質の輸送活性を調べたところ、phyto-S1P、C17-S1Pを輸送することができるが、その脱リン酸化体は輸送できないことを明らかにした。さらに、S1P受容体に作用する新しい免疫抑制剤であるFTY720のリン酸化体もSPNS2が輸送活性を持つことを明らかにし、これら薬物の体内動態に重要な役割を果たすことを示した。
また、ABCA型輸送体の1つであるABCA5の欠損マウスから調製した骨髄を移植した雌のLDL受容体欠損マウスにおいて有為にアテローム性動脈硬化になりやすくなることを見いだした。ABCA5欠損のマクロファージからのApoA1依存的なコレステロールの放出が増加し、この細胞ではABCA1の発現の増加が見られることから、ABCA5は直接コレステロールの細胞外への輸送に関わっていないが、マクロファージでのコレステロールの調節に関わっていることを明らかとした。このことは、細胞内のコレステロールの調節にABCA1やABCG5/8以外にもABC輸送体が関わっていることを初めて明らかにした結果である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] The sphingosine 1-phosphate transporter, Spns2 function as an exporter for the phosphorilated form of immunomodulating agent FTY720 from the cells.2011

    • 著者名/発表者名
      Hisano, Y., Kobayashi, N., Kawahara, A., Yamaguchi, A., Nishi, T.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem

      巻: 286 ページ: 1758-1766

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Macrophage Abca5 influences cellular cholesterol efflux and increases susceptibility to atheroscrosis in female Ldlr knockout mice.2010

    • 著者名/発表者名
      Ye, D., Meurs, I., Ohigashi, M., Zhao, Y., Habets, K.LL., Calpe-Berdiel, L., Kubo, Y., Yamaguchi, A, van Beckel, T.J.C., Nishi, T., van Eck, M.
    • 雑誌名

      Biochem.Biophys.Res.Commun.

      巻: 395 ページ: 387-394

    • 査読あり
  • [学会発表] Functional analysis of a novel S1P transporter, SPNS22010

    • 著者名/発表者名
      Hisano, Y., Yamaguchi, A., Nishi, T.
    • 学会等名
      BMB2010
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2010-12-09
  • [学会発表] 免疫抑制剤FTY720の作用機序におけるS1P輸送体SPNS2の役割2010

    • 著者名/発表者名
      久野悠、山口明人、西毅
    • 学会等名
      第32回 生体膜と薬物の相互作用シンポジウム
    • 発表場所
      富山国際会議場
    • 年月日
      2010-11-29
  • [学会発表] S1P輸送体SPNS2の生理機能の解析2010

    • 著者名/発表者名
      西毅、久野悠、山口明人
    • 学会等名
      第36回 日本生体エネルギー研究会
    • 発表場所
      大阪大学銀杏会館
    • 年月日
      2010-11-19
  • [学会発表] The analysis of sphingosine 1-phosphate secretion from cells expressing Spns2.2010

    • 著者名/発表者名
      Hisano, Y., Yamaguchi, A., Nish, T.
    • 学会等名
      51^<st> International conference on the Bioscience of Lipids
    • 発表場所
      Alhondiga Conference Center, Bilbao, Spain
    • 年月日
      2010-09-10
  • [学会発表] Analysis of the mammalian sphingosine 1-phosphate transporters2010

    • 著者名/発表者名
      Nishi T., Hisano Y., Kobayashi N., Yamaguchi A.
    • 学会等名
      The 27^<th> Naito Conference on Membrane Dynamics and Lipid Biology [I]
    • 発表場所
      シャトレーゼガトーキングダム サッポロ
    • 年月日
      2010-07-01
  • [学会発表] Functional analysis of novel S1P transporter, Spns22010

    • 著者名/発表者名
      Hisano, Y., Yamaguchi, A., Nishi T.
    • 学会等名
      The 27^<th> Naito Conference on Membrane Dynamics and Lipid Biology [I]
    • 発表場所
      シャトレーゼガトーキングダム サッポロ
    • 年月日
      2010-07-01
  • [学会発表] スフィンゴシン1リン酸輸送体の同定と生理機能の解析2010

    • 著者名/発表者名
      西毅、久野悠、山口明人
    • 学会等名
      第52回 日本脂質生化学会
    • 発表場所
      伊香保・森秋旅館
    • 年月日
      2010-06-14

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公開日: 2012-07-19  

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