研究課題
我々の研究グループは低酸素病態に焦点を当て、簡便で安価な分子イメージング技術の確立を目指している。我々が提案する低酸素組織イメージング法は、がん、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞部位が正常組織に比べて低酸素状態にあることに着目し、低酸素環境下でのみ発光するイリジウム錯体(BTP;励起波長445-500nm;発光波長600-700nm)を生体に投与し、in vivoイメージングシステムで生体の低酸素病態を検出する全く新しいタイプの分子イメージング法である。平成22年度はマウス皮下の浅部腫瘍だけではなく、深部組織の低酸素状態をより鮮明に観察することを目指して、BTPの励起波長と発光波長の長波長化(生体透過能力が優れている)、発光強度の増加による高感度化した改良体の作成と検証を行った。長波長改良体として芳香族配位子のπ共役系を拡張したBTQ、アセチルアセトンをスクシニルアセトンに変えたBTQSA,TTPHSA,DTTPHSA,BTBQSA、側鎖にアミノ基を付加させたBTPHNH_2を作成しマウスで検証したが、昨年度作成した長波長改良体BTPHSAよりマウス腫瘍を効率よくイメージング出来る改良体は得られなかった。また高輝度化を目指し、分子内エネルギー移動原理に着目し作成したBTP-ローダミンは試験管内で輝度がBTPと比較して約1.5倍程度の増加に留まり動物実験でも大きな成果は得られなかったが、BTPの側鎖をジメチルアミノ基に変更した改良体BTPDMは細胞、個体レベルでBTPより5-8倍その輝度が増加した像を得た。そこで現在、長波長改良体BTPHSAの側鎖にジメチルアミノ基を付加した改良体を作成しつつある。
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http://www.imcr.gunma-u.ac.jp/lab/secbio/
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