研究課題
我々の研究グループは低酸素病態に焦点を当て、簡便で安価な分子イメージング技術の確立を目指している。我々が提案する低酸素組織イメージング法は、がん、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞部位が正常組織に比べて低酸素状態にあることに着目し、低酸素環境下でのみ発光するイリジウム錯体を使った新しい分子イメージング技術である。平成23年度は、1)前年度に開発した新規イリジウム錯体BTPDMの検証、2)イリジウム錯体の細胞内動態を検証するための抗体作成、を行った。1)高輝度改良体の検証:イリジウム錯体BTPにジメチルアミノ基を二個付加した高輝度改良体BTPDMはBTPと比較して1/10の低濃度で腫瘍をイメージングすることが出来た(前年度後半-今年度前半の成果)。この新規高輝度改良体の組織および細胞内の取り込み量を測定するために、ICP-MS(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry:誘導結合プラズマ質量分析計)を用いてイリジウム錯体の取り込み量を測定した。前年度に顕微鏡によるイリジウム錯体のシグナル比較は成功していたが、ICP-MSによる検証は、イリジウム錯体の細胞内、組織内における定量が可能となり、イリジウム錯体の代謝などを知る上で、大きな進展を得た。2)イリジウム錯体改良体の細胞内動態を検証する:我々が開発している一連のイリジウム錯体の基本骨格となるBTPをKLH(Keyhole limpet hemocyanin;スカシガイのヘモシアニン)に付加した化合物を作製し、これを抗原としてウサギでポリクローナル抗体を作製した。またこのウサギ血清から抗体成分を精製した。現在、BTPの細胞内局在を解析中である。
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