研究概要 |
申請書計画に記載したStep1,Step2までを2009年度でほぼ完成した。2010年度は計画のStep3"細胞選択的透過性PTDの応用技術の開発"について研究を進めた。Step2("細胞選択的透過能を発揮するCPPの分離・獲得")までの研究成果で得られたcell-specific CPP(cell-selective CPP)のナノメディシンへの実際の応用技術を確立するための基礎研究ステップであり、これら新規癌細胞系統別高浸透性ペプチドに癌抑制遺伝子p16INK4aの機能を代償するアミノ酸配列を融合した抗腫瘍ペプチドのin vitro, in vivoにおける腫瘍増殖抑制効果の解析を、既存のTAT配列を融合したペプチドとの比較により評価した。結果、われわれが開発したCPPを応用した抗腫瘍ペプチドは、TAT融合のペプチドに比べて高い抑制効果を得ることが判明した。また、蛍光標識したこれら腫瘍高浸透性ペプチドの生体内イメージングへの基盤的応用法を検討し、担癌マウスモデルにおけるin vivoデリバリー実験を実施した。大腸がん、胃癌、白血病腫瘍組織について良好な腫瘍イメージングプローブとしての性能を検証できた。国内特許を平成22年4月に出願。(続いて平成23年4月に外国PCT出願を終えた。)
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