研究課題
モバイルセンサネットワークでは、柔軟かつ効率的にデータを処理できるようにモバイルセンサノードを利用する必要があるため、従来のモバイルコンピューティングやセンサネットワークの枠組みとは異なる新たなデータ管理技術が必要となる。本研究では柔軟かつ効率的にデータ処理を行うことを目的とし、研究期間内に下記3点を明らかにしてモバイルセンサネットワークのためのデータ処理機構を構築している。1. モバイルセンサネットワークのための柔軟かつ効率的なデータ配置技術本年度は、昨年度に提案したデータ収集のための手法を拡張し、データの複製を配置することによる有効性を検討した。モバイルセンサネットワークでは、モバイルセンサノードが移動するため、データをもつ端末と通信できない状況が発生する。そこで、モバイルセンサの現在位置や消費電力を考慮してデータ収集を行うことでデータ収集率を向上させる手法を提案した。2. モバイルセンサネットワークのための柔軟かつ効率的なデータ配信技術本年度は、昨年度に提案したモバイルエージェントと呼ばれるプログラムがセンサネットワーク内を移動してデータ収集や配信を行う手法の評価、拡張を行い、有効性を確認した。特にモバイルエージェントの移動先となるセンサネットワークや、そのデータベーススキーマを参照する手法を検討し、実装を行った。3. モバイルセンサネットワークのための柔軟かつ効率的な通信技術本年度は、バスやタクシーといった既に運行しているモバイルノードを用いてデータ収集する際、各センサから出来る限り公平に、かつ多くのデータを収集できる通信方式を提案した。多くのデータを収集するために、既に通信済みのセンサであってもデータをもっていれば収集する。また、センシング周期を考慮してセンサネットワークを構築する手法を提案した。
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