研究課題/領域番号 |
21220003
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
八木 康史 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60231643)
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研究期間 (年度) |
2009-05-11 – 2014-03-31
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キーワード | 画像,文章,音声等認識 / 計測工学 |
研究概要 |
本研究課題では、装着者自身の本人認証・行動予測による異常事態の発見という機能を持つ、子供でも違和感なく装着できるウェアラブル防犯センサシステムを提案し、アンビエント監視による児童防犯の確立を目指す。モデル小学校の協力のもと、児童ボランティアによる有用性評価、社会実装を意識した地域社会との連携に関する検討を実施する。当該年度は、以下に示す4項目について主に研究を行った。 P1) レンズレス全方位センサシステム: Smart Phoneをベースとするランドセル装着型システム(200g以下)を構築した.また、全方位センサシステムの改良機についての評価を行った。 P2) 装着者自身の本人認証・行動予測による異常事態の発見:加速度情報から、歩行動作の認識を行った。実験では、平坦、下り坂、上り坂、階段の昇降の5種類の歩行データに関する識別を行い、90.4%の認証精度であった。 P3) 歩容認証:シーケンス中の観測方向の変化に対応した手法の研究を実施する。具体的には、観測方向を一定と仮定していた時間超解像手法を,観測方向変化を含む低フレームレート映像に対して適用できるように拡張した。また、歩容認証に関して、大規模歩容データベース、トレッドミルデータベースを構築し、一般公開した。 P4)実証実験用ソフトウェア開発:SmartPhoneベースの装着型システムのソフトウェアを開発した。具体的には、登下校緊急時映像配信ソフトとして、「録る,送る」の機能を持つソフトを開発した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
装着者自身の歩行認証において、類似歩行パターンが想定される、平坦、下り坂、上り坂、階段の昇降の5種類の歩行データに関する識別を行い、90.4%の認証精度であった。実際の場面では、複数フレームからの認証とすることができることから、現性能でも実用可能に近いレベルと判断できる。 平成25年1月に、スマートフォンおよび 全方位センサからなるシステムにおいて、平成24年度試作の反射鏡系を介した撮影画像を評価したところ、外光の影響により、画質が劣化することが判明した。要因は、主鏡以降受光面までの光路中での外光の進入と思われることから、主鏡以降の光学系に遮光機能をもうける改良を行った.その結果、画質改善できた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、登下校に加え、一般環境での本人認証実験を行い、提案手法の有用性を評価する。また、レンズレスシステムについては、薄型を構築する予定である。
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