研究課題
本年度得られた成果は、以下の(1)-(4)のように要約できる。(1)細胞内受容体およびCYPのcDNAクローニング:無脊椎動物・魚類・両生類・鳥類・ほ乳類に属する生物種の細胞内受容体(またはそのホモログ)、およびCYP1-4ファミリーに属する分子種の全長cDNAのクローン化に成功した。また、これまでに報告されてこなかった新規の細胞内受容体・CYP分子種も新たに発見した。(2)CYP遺伝子プロモーター/エンハンサー領域のクローニング:魚類・両生類・鳥類・ほ乳類に属する生物種のCYP遺伝子プロモーター/エンハンサー領域のクローニングに成功した。in silico系およびin vitro系での解析により、細胞内受容体特異的な反応部位を同定することができた。これらの結果により、細胞内受容体-CYPシグナル伝達系の進化および生物種特異性の一端が明らかになった。(3)CYPによる化学物質代謝能の解明と代謝経路・産物の網羅的解析:鳥類・ほ乳類のCYP1A分子種の全長cDNAのクローンを用いて、これら遺伝子のin vitro系による蛋白質の発現に成功した。またエトキシレゾルフィンやPCBなどの化学物質(基質)とこれら蛋白質を反応させることにより、代謝産物を同定することができた。得られた代謝産物の種類・量から、進化学的近縁種であってもCYP1の代謝能は種間で大きく異なることがわかった。(4)細胞内受容体およびCYP以外の感受性規定因子の探索:組換え近交系マウス各系統の脾細胞を2,3,7,8-四塩素化ダイオキシンで処理し、CYP1A1遺伝子発現量の用量依存性を解析したところ、マウス各系統群間でのEC_<50>等の用量一応答パラメーターに明確な差が認められた。これら感受性の差はマウス各系統のAHRアミノ酸配列のみでは説明できなかった。したがって、この差はAHR以外の要因が関与していると推察された。
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