研究課題
地震の準備と発生の詳細を震源の極至近距離で観察し、地震発生の物理をより深く理解したい。得られる知見を、地震発生のより正確な予測に生かしたい。このような試みを、自然の大地震を対象に地表付近から行うことは、技術的・時間的に非常に困難である。しかし、マグニチュード2程度の地震(約100mサイズの破壊)をターゲットとした場合、南アフリカ(以下南ア)の大深度金鉱山ならば、2~3年の間に極至近距離観測による知見を得ることができ、非常に貴重である。平成22年度は観測網構築の準備期(2年目)である。断層に対する坑道配置が理想的な南アのモアプ・コツォン鉱山の地下約3kmにおいて、昨年度に具体化されたドリリング、および、計器の調達・開発・埋設の計画を進めた。そして、ドリリングは約二十本(総延長約1km)完了した。しかし、断層帯のドリリングは困難で、遅れが生じた。また、採掘計画の遅れに伴い地震活動の活発化も遅れることになったため、予備サイト、Ezulwini鉱山における観測を計画し、こちらについてはAE観測と2台の歪計による観測を始めることができた。破壊前線動的応力降下観測(断層上に高速応答高容量の歪・加速度計4組をアレイ配置;高感度歪計を3台配置)については、より最適な代替えサイト(Ezulwini鉱山とDriefontein鉱山)において、ドリリングと断層位置のcm精度での同定、計器埋設が完了し、観測を始めることができた。
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The proceedings of the fifth International Seminar on Deep and High Stress Mining, 6-8 October 2010, Santiago, Chile, Australian Centre for Geomechanics
ページ: 215-226
Bulletin of the Seismological Society of America
巻: 100 ページ: 1165-1173