研究課題
「地球中心核」の形成は、地球内部構造進化や物質循環、さらには地球表層環境変化に大きな影響を与えた。このため地球中心核の形成過程解明は、地球進化の包括的理解に欠かせない重要な研究テーマとなっている。しかし地球中心核に関する物質科学的知見は限られており、近代的かつ定量的な進化モデル構築には至っていない。本研究課題では、研究推進グループが実用化した次世代レーザー試料導入装置を超高感度プラズマ質量分析法に組み合わせた次世代超微量元素分析法と、研究分担者が培ってきた世界最高の超高温・高圧実験技術を組み合わせることで、地球中心核での元素分配・元素挙動に関する正確かつ基盤的な物質科学的知見を引き出すことを目的としている。本年度は、独自に開発したフェムト秒レーザーアブレーション試料導入装置と、本計画で新規に導入した超高感度プラズマ質量分析計を組み合わせ、分析条件の最適化を図るとともに、金属固体試料(地球中心核の模擬試料:本研究で合成)を用いた微量元素分析データの取得を開始した。さらに本年度は、分析性能の総合的評価を行うとともに、信頼性の高い定量分析を行う上で不可欠な金属試料標準物質の合成と均一化処理を進めた。さらに、本年度は、試行を始めた超高圧実験において回収される試料が分析に必要なサイズに満たない場合を想定し、質量分析装置の高感度化と液中レーザーアブレーション法の実用化を進めた。これにより、超高圧実験試料の直接分析だけではなく、世界初の局所溶液化技術をバックアップ技術として整備することができた。実験計画2年を通じて、分析環境の整備がほぼ整ったため来年度から本格的に超高圧実験と回収試料の化学分析を進めることが可能となった。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
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