研究課題/領域番号 |
21224014
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 早苗 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70127611)
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研究分担者 |
矢木 雅敏 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70274537)
藤澤 彰英 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (60222262)
稲垣 滋 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (60300729)
伊藤 公孝 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (50176327)
居田 克巳 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (00184599)
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キーワード | プラズマ / 乱流 / 構造形成 / 動的応答 / 動的輸送 |
研究概要 |
今年度も、研究目的達成に大きく寄与する成果を上げた。乱流プラズマの輸送を研究する上で鍵を握るテーマが、長い相関長を持つ揺動の存在とその効果の研究である。プラズマ半径と同程度の相関長の長距離相関(マクロ)揺動を発見した。このマクロ揺動はミクロ揺動と非線形結合している事を見いだした。この発見は、本研究で創案されたCorrelation Hunting法(異種計測間で相関を取りそれを解析する方法)をLHDヘリカル装置のプラズマの揺動に適用したことによって実現したものである。学問的成果の発信についても、プラズマ乱流の非線形統計理論を体系的に記述する双書としてPhysical Kinetics of Turbulent PlasmasをCambridge University Pressから刊行した。プラズマ乱流研究に時代を画する成果だと考えられる。 理論・シミュレーション・実験の研究方法の連携を通じこれらの統合的成果を挙げた。個別の研究成果としては、理論:多スケール乱流の時空構造についての統計理論、特にドリフト波とメゾスケール揺動が共存する系の非線形変分原理を進展させた。シミュレーション:トーラスプラズマの乱流実験をシミュレートするための数値計測トーラスを進展させた。またブロッブ型乱流による輸送スケーリングをまとめ、壁に近いスクレイプオフと呼ばれる領域の乱流輸送モデルを構成した。実験:動的輸送現象を解析するためのwavelet解析やconditional averaging法といった解析法を提示し、実験解析の先駆性を実証した。ドリフト波孤立波状揺動に対して適用し、揺動振幅や揺動間の非線形結合度の時間発展を観測した。これらの結果を冒頭の発見と統合する事によって今後進展を図る基盤が形成出来た。
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