研究分担者 |
田村 幸雄 東京工芸大学, 工学部, 教授 (70163699)
石崎 武史 東京文化財研究所, 保存修復科学センター, センター長 (80212877)
原 隆 徳山工業高等専門学校, 土木建築工学科, 教授 (50124102)
堀 賀貴 九州大学, 人間・環境学研究科, 教授 (20294655)
水嶋 英治 常磐大学, コミュニティ振興学部, 教授 (70372886)
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研究概要 |
リビアでは発掘計画を考古学庁に説明し、研究作業開始の準備を進めた。しかし、作業開始直前の9月にリビア考古学庁のアナーグ長官が更迭され、アガーブ新長官に調査計画を最初から説明し、リビア側の都合で第1フェーズの発掘調査予定地をプトレマイスからトクラに変更した。研究計画に明記したプトレマイスの発掘は第2フェーズで実施の予定である。シリア、ヨルダンについては、考古学庁での研究計画説明を行った。ヨルダンの調査予定地は、計画通りウム・アル・ラッスス、ウム・アル・ジマル両遺跡で、第1フェーズでは前者に着手する。ヨルダン考古学庁に説明を行い、現地状況の確認を終えた。本年度はリビアでの研究準備を優先して進あ、出土品の収蔵庫、発掘メンバーの宿泊施設、研究スペース等を確保したが、その一部は修復の必要がある。3次元レーザースキャナーを購入し、国内でその作動確認、実測演習を行い、次年度の実測作業(ハギア・ソフィア大聖堂)に備えて準備を進めた。構造班は構造解析と組石造構造の力学実験準備を進めた。保存科学班は雨水浸透モデルの作成についてドレスデン工科大学メンバーと共同研究の態勢を整えた。考古班はトクラ遺跡に関する先行研究の収集,および専門研究者との意見交換を行った。国内でトクラ遺跡に関する資料を収集するとともに,3月にローマのブリティッシュ・スクールにおいて,1960年代のレプティス・マグナ発掘,さらに1950年代に実施されたトクラ遺跡の部分発掘に関する資料を収集するとともに,連合王国,オックスフォード大学にて,古代ローマ後期の都市形成史を専門とするジャネット・ディレーン講師と,地中海沿岸,とくにレプティス・マグナに代表されるリビア西部と,プトレマイス,トクラに代表されるキレナイカと呼ばれるリビア東部の都市群の相違点,考古学的な位置づけについて意見交換を行った。本年度で予備的な資料の収集は完了し,次年度の試掘,表土の除去を開始するための十分な情報を得た。
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