研究課題/領域番号 |
21226014
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
日高 健一郎 筑波大学, 芸術系, 教授 (30144215)
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研究分担者 |
田村 幸雄 東京工芸大学, 工学部, 教授 (70163699)
石崎 武志 東京文化財研究所, 保存修復科学センター, センター長 (80212877)
原 隆 徳山工業高等専門学校, 土木建築工学科, 教授 (50124102)
高根沢 均 神戸夙川学院大学, 観光学部, 講師 (10454779)
水嶋 英治 常磐大学, コミュニティ振興学部, 教授 (70372886)
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キーワード | 地中海建築史 / ビザンティン / 初期教会堂 / 遺跡実測 / モニタリング / ジュラシュ / トクラ / 中近東・北アフリカ |
研究概要 |
トルコのハギアソフィア大聖堂では、側廊ヴォールトの実測、上部半ドーム、ドームコーニスの劣化調査を行った。漆喰で覆われたモザイク面の試験探査を実施、23年度からの本探査に向けて機材準備を進めた。 堂内微気候の長期自動計測システムを構成し、計測を開始した。ヨルダンでは考古庁と研究契約署名を行い、ジェラシュ遺跡の調査を開始、サイトの地表面特性の把握と発掘前の地勢記録のため、ラジコンヘリによる空撮を実施、帰国後に正射影画像を作成した。当初計画で予定していたウム・アル・ラッサス遺跡とウム・アル・ジュマル遺跡については、アメリカ・ヨルダン合同隊による調査許可が下りてしまい、サイトの変更を求められた。しかし、ジェラシュ遺跡はこれら2遺跡に勝るとも劣らぬ重要遺跡で、特に3連教会堂は初期ビザンティン遺跡の特異な構造として注目されるため、検討の結果、ジェラシュ遺跡を選定した。研究対象地域の一部であるチュニジア、リビア、シリア、エジプトで民主化運動による騒乱が続き、研究作業に影響が生じたが、情勢安定化と共に研究再開の準備を進めた。リビアでは、トクラ遺跡の発掘を開始し、サイトの表面整備に続き、発掘を行って東教会のアプシスの一部分が出土した。同時に、サイト敷設の博物館について、日本側の構想を提示し、リビア当局が予算措置を進めることとなった。しかしその直後民主化運動の騒乱で発掘の中断を余儀なくされた。現地情勢の悪化により海外発掘調査には遅れが見られるが、ハギア・ソフィア大聖堂モザイク探査、チュニジアからアルジェリアに到るローマ街道沿いの集落遺跡について、国内外の研究機関で精力的に文献研究を進めた。
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