研究課題
次世代CFDとして、研究代表者が提案したBuilding-Cube Method (BCM)の実用化を目指した研究に注力した。計算機の更なる性能改善を念頭に、大規模計算を可能にするアルゴリズムを構築することで、現行CFDが抱える様々な課題、例えば計算結果の物理モデル依存性や複雑形状に対する作業量の増大等を抜本的に解決することを目指したものである。高速な大規模格子生成技術、大規模並列計算技術、大規模データ圧縮技術等のCFDコード開発・整備を行うとともに、数種類の壁面境界処理法を国際会議や学術誌で提案してきた。その成果の一つとして、京コンピュータ上で200億格子点の大規模計算を実施して自動車周りの非定常な流れを詳細に再現している。世界的にも希な大規模格子点での並列計算を可能にした事と共に、エンジンルームも含めた極めて複雑で欠損もあるCADデータから直接に計算を実行できることを示した。自動車空力の数値解析時間を大幅に短縮して設計プロセスを革新的に変える可能性を持ち、その意義は大きい。航空機脚等からの空力騒音発生要因の乱流解析では、ブロック境界の改良等で精度向上成果を得た。発生騒音の空間伝播に関する数値解析も精度検証とともに高速化により実用ツール化を進めた。JAXAでは空港騒音問題を解決するための低騒音航空機の研究を行っており、そのためのツールとして本研究成果が期待されている。超臨界流体への展開として、BCMを組み込んだ複雑形状周りの熱流動が計算できる計算コードを高次精度化し三次元へ拡張、複数の国際ジャーナルに投稿中である。次世代CFDに適した高速計算機への要求要件を明確化するために、ハードウェアとソフトウェアの観点から協調設計を行うために複数の大規模計算機を用いたBCMの詳細評価を行った。その結果からポストペタフロップス計算機を設計をするための重要な知見を得た。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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