研究課題
高等な生物では、特定の分子を働くべき場所に輸送する仕組みがあり、輸送に関わる生体超分子の立体構造を決定して、その働きの仕組みを明らかにするのが本研究の目的である。細胞間輸送ではギャップジャンクション、細胞質から細胞外排出及び核内への輸送ではボルト、核外への輸送ではイクスポーティンを研究対象に取りあげている。小RNAの核外輸送に関わる、イクスポーティン-5の研究では、イクスポーティン-5・ランGTP・プレ-マイクロRNA3者複合体の、イクスポーティン-5・ランGTP2者複合体の結晶構造解析に加えて、イクスポーティン-5単体の結晶構造解析を行った。意外にも2者複合体は3者複合体と同じ構造であった。細胞内での輸送に関わると考えられているボルトは分子量が10MDaを超える巨大な粒子である。ボルトの39量体構造を形成するのに重要と思われるC末端領域の構造が未知である。この領域の構造を新しい構造精密化法によって決定した。昆虫細胞の発現系でボルトの調製法を確立し、昆虫細胞発現系によってフレキシブルなMVPのN末端(粒子ウェストを形成)をロイシンジッパーで固定化した組み換えボルトを調製して、均一な電子顕微鏡像を与える試料の大量調製に成功した。異方性が有るが2.8Åの回折像を与える結晶を得た。ギャップ結合チャネルの構造に基づいて、半チャネルが細胞間でドッキングしてチャネルを形成する機構を明らかにする研究を行った。Cx26の変異体,Cx32の野生型及び変異体を調製して、ホモロジーモデリングに基づいてチャネル形成に重要な水素結合を特定した。コネキシン26ギャップ結合チャネルは3.5Å分解能で構造決定されているが、細胞内ループやC末端ループの構造は未確定である。分子動力学計算を加味した構造解析法を考案して、この部分の構造を決定した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
Biochemistry.
巻: 52 ページ: 2649-2654
10.1021/bi301638h.
Nat. Commun.
巻: 4 ページ: 1676, 1-13
10.1038/ncomms2678.
Acta Cryst. F
巻: 69 ページ: 1049-1051
10.1042/BST20120211
Acta Crystallogr D Biol Crystallogr.
巻: 69 ページ: 1054-1061
10.1107/S0907444913004472.
J Cell Sci.
巻: 126 ページ: 3113-3120
10.1242/jcs.123430.
http://www.sci.u-hyogo.ac.jp/life/GCOE/japanese/pico_intro/tsukihara/index.html