研究課題/領域番号 |
21229008
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
谷内 一郎 独立行政法人理化学研究所, 免疫転写制御研究グループ, グループディレクター (20284573)
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キーワード | T細胞 / 転写因子 / 核内分化プログラム / サイレンサー / 可塑性 / 系列決定 / NKT細胞 / γδT細胞 |
研究概要 |
T細胞は免疫反応を担うと共に免疫応答の調節を行う重要な細胞群であり、異なる機能を持つ幾つかの細胞亜群から構成される。T細胞の機能異常や分化バランスの異常によって種々の免疫疾患が誘発されることから、これら免疫疾患の病態を理解し、医療に応用可能なT細胞分化制御技術を開発することは医学・免疫学の重要な課題である。本研究課題では、異なるT細胞亜群の分化を制御する転写因子ネットワークの解明を目的に研究を遂行する。本年度は胸腺内でのヘルパー系列とキラー系列への分化運命を制御する転写因子ネットワークの中で最も重要な機能を持つThPOK遺伝子の発現制御機構の解明を中心に研究を行った。特にThPOK遺伝子内のサイレンサー結合因子の同定を試み、その結果新たなサイレンサー結合因子を同定した。更に発生工学的手法によるそれら分子の機能解析を行い、T細胞分化制御転写因子ネットワークの新規構成転写因子を同定し、その成果を国内及び国際会議で発表した。その他、ThPOK遺伝子内の新規エンハンサー領域の同定とその機能解析を行い、またThPOK遺伝子のエピジェネティクな発現制御機構について特にヒストン修飾を中心に解析した。またT細胞分化制御に重要なCD8遺伝子の発現制御機構に関して、新たな知見を得、その一部は共同研究の成果として「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」も発表した。その他に、皮膚免疫で重要なγδT細胞(DETC細胞)の分化過程でRunx転写因子複合体の機能解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ThPOKサイレンサー結合因子の同定からT細胞分化を制御する転写因子ネットワークの新規の機能的な構成因子の同定に至ったから。
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今後の研究の推進方策 |
T細胞分化制御機構を新たな階層で理解する為には、今後は転写因子ネットワークの構成因子の同定から翻訳後修飾を含むそれら因子の機能制御機構に移行して研究を進めることが必要であり、またイメージング技術を取り入れた解析法も導入して行きたい。
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