研究課題
食道進行癌の治療成績向上のためには癌の発生、進展および治療感受性に関わる因子を総合的かつ俯瞰的に明らかにすることが重要である。食道癌治療成績の向上を具現化するため、平成17年度から基盤研究(S)(以下、前基盤(S)と略称)の助成を頂き、「宿主(遺伝子多型:P)」・「疫学環境(E)」・「腫瘍(T)」を統合した三位一体研究を開始した。本研究ではさらに症例数を増やし、かつ網羅的遺伝子解析を実施することを目的とした。食道癌患者1071人、および健常人2762人から50万SNPs解析を行い、食道癌患者に特異的に変化を有する6SNPsを同定、それらは4q23,12q24.12に集中して存在することがわかった。その連鎖不均衡領域にはアルコール代謝に重要な役割を果たすADH1B,ALDH2遺伝子が存在した。生活習慣とこれらの遺伝子多型との交互作用を検討したところ、飲酒・喫煙が有意に交互作用を持って食道癌罹患と関与することがわかった。これら4つの因子を全く有していない場合と比較して、4つ全ての要素を有する場合、食道癌罹患危険率が357倍高くなること、また喫煙はこれら遺伝子多型の有る無しにかかわらず食道癌罹患に4倍相関するが、飲酒はこれら遺伝子多型を有していなければ食道癌罹患危険度は1.2倍、多型を有していれば12倍、さらに喫煙が加われば62倍となることがわかった。すなわち、この2カ所の遺伝子多型を解析することで、食道癌罹患の予防に有用である可能性が示唆された。切除症例より70例の標本からマイクロダイセクションを行った後に3万遺伝子の網羅的mRNA発現解析、また50万スポットのゲノムCGH解析を行った。現在、臨床病理学的データとの相関を解析中である。
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