研究概要 |
1.非均質型端末間のグループ鍵共有プロトコル(担当:宮地(研究代表者),面(連携研究者)) 簡易非均質型でのグループ鍵共有プロトコルの構築において,既存研究のn端末がメッシュ型,すなわち各端末の能力が同じである(0,n)型ネットワーク(低能力の端末数0,高能力の端末数n)のグループ鍵共有プロトコルを(1,n-1)型ネットワーク,すなわち低能力の端末数1,高能力の端末数n-1のグループ鍵共有プロトコルに拡張し,簡易モデルで安全性を証明.さらに,(2,n-2)型,(3,n-3)型への拡張も行った.プロトコルは楕円曲線上の双線型群を利用.また,耐故障性を考慮し,幾つかの端末が故障した際にも鍵共有が可能な方式を構築し,簡易モデルにおいて安全性を証明. 2.鍵共有おけるハッシュ関数の応用(担当:廣瀬(研究分担者))(担当:双紙(研究分担者)) SHA-1,SHA-256/512,NIST次世代ハッシュ関数候補をNIST SP800-56Aに用いた鍵導出関数は,ハッシュ関数の一般的な安全性の仮定での安全性の保証は困難である.そこでNIST SP800-108の鍵導出関数を検討し,並列処理効率の観点から優れた鍵導出関数を開発し,ハッシュ関数に基づくHMACなどの擬似ランダム関数を用いると鍵導出関数は安全であることを証明.次にハッシュ関数をセンサネットワークにおけるグループ鍵分配プロトコルに応用し,センサグループに鍵生成多項式を分配する方式を開発.多項式に各センサの秘密鍵のハッシュ値を適用することで,安全でかつ効率の良いグループ鍵共有を実現. 3.形式言語による安全性証明(担当:岡崎(研究分担者)) 自動証明検証システムMizar上で,プロトコルの安全性検証のための基礎的ライブラリを作成.21年度は特に離散かつ有限な標本空間における確率の形式的記述を行った.これにより,疑似乱数生成器,ハッシュ関数等の暗号プリミティブの形式的記述のツールが整った.さらに安全性の議論に必須である確率変数や共通鍵暗号についてのライブラリも作成.
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