研究課題/領域番号 |
21240001
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
宮地 充子 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10313701)
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研究分担者 |
廣瀬 勝一 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20228836)
双紙 正和 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (00293142)
岡崎 裕之 信州大学, 理工学研究科, 助教 (50432167)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 暗号・認証等 / センサネットワーク |
研究概要 |
1. 非均質型端末間のグループ鍵共有プロトコル:端末の能力に応じた任意の(n1, n2)型ネットワーク(低能力端末数n1, 高能力端末数n2)のグループ鍵共有を行うペアリングベースの方式を構築し,受動攻撃モデルで安全性を証明.次に任意のT(<n)端末が故障した際にO(Logn+T) の性能で鍵共有が可能なT耐故障-鍵共有方式を提案し,受動攻撃モデルで安全性を証明.耐故障数Tに対しシステマティックに端末配置を行う方法も構築.両方式はKY変換により,能動攻撃に安全な方式に変換することも可能である. 2.鍵共有におけるハッシュ関数の応用:センサネットワークでのハッシュ関数の利用においては計算資源に制約のある環境でも効率よく処理可能であること(軽量性)が重要である.本課題では,ハードウェア資源の節約の観点からブロック暗号を用いたハッシュ関数の構成に着目し,ブロック暗号としてAESとPRESENTを利用した倍ブロックハッシュ関数の衝突計算困難性を攻撃の観点から検討した. 3.グループ鍵共有方式におけるシミュレーション:センサネットワークのグループ鍵共有・鍵配送の提案方式を安全性や効率の観点から,シミュレーションによる評価を実施.昨年度実施したグループ鍵配送方式を発展させ,ハッシュ連鎖を柔軟に構成することで,VANET (Vehicular Adhoc Networks) における効率のよいグループ認証方式を研究開発した. 4.形式言語による安全性証明: 本研究課題で提案する鍵共有プロトコルの形式検証に利用可能な、暗号理論のための様々な数学的諸定理,ガウス整数環に関する諸定理,有限離散標本空間上の条件付き確率および確率分布,Z-加群,共通鍵暗号AES暗号の形式記述,数論アルゴリズムに関する諸定理について自動証明検証システムを利用した形式定義ライブラリを作成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
センサネットワークのセキュリティ強化にはデータ秘匿と完全性の2つの観点があり,データ秘匿の観点では公開鍵暗号ベースの鍵共有方式,完全性の観点ではMACベース方式のそれぞれにおいて,既存方式の問題点を解決する方式を提案した.また,鍵共有,MACに利用する基本暗号関数である擬似乱数生成関数を新規に構築した.また,これらの安全性を形式的に行うライブラリの作成も行った.
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今後の研究の推進方策 |
H24年度までに構築した,公開鍵暗号ベースの鍵共有方式, MACベース方式に,H24年度に構築した基本暗号関数である擬似乱数生成関数を実際に導入し,それら統合システムとしての性能のシミュレーションを行う.また,統合方式のこれらの安全性を形式言語で安全性を行うために必要なライブラリの作成を完成し,実際に安全性証明を行う.
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