研究課題/領域番号 |
21240006
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岩田 洋夫 筑波大学, システム情報系, 教授 (60184884)
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研究分担者 |
矢野 博明 筑波大学, システム情報系, 准教授 (80312825)
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キーワード | バーチャルリアリティ / ロコモーションインタフェース / 歩行 / トレッドミル |
研究概要 |
H23年度は、以下の2項目を実施した。 1.全方向トレッドミルの駆動アルゴリズムの開発 円環型センサーで検出した歩行者の位置に応じて、全方向トレッドミルを駆動し移動を打ち消す。歩行者が円環の中央にいるときは、全方向トレッドミルは動かず、ある方向に移動したことを検出すると、円環の中央に引き戻すように床を動かす。この方式の有効性は、申請者がこれまでに開発してきた多数の歩行移動インタフェースにおいて確認してきた。ただし、床を動かす場合、静止状態から動き出す遷移状態において、歩行者が不安定になる傾向があるので、その問題を実験的に解決した。 マックスプランク研究所のCyberWalk Platformや、ユタ大学のTreadPortが大型であるのは、静止状態から引き戻しを始める遷移過程をスムーズにするために、歩行者にある程度の距離を実際に移動させ、動的歩行になってから床を動かすためである。しかし、大きな可動床を用意していても、方向変換を行うと、進行方向と床の移動方向がずれて不安定になる問題が発生する。本研究では、この問題を避けるために、円環型支持機構を導入し、歩行者が不安定になる歩きだしや方向変換を行う状態では、自由に円環をつかませることによって転倒の危険を排除する方針をとった。これによって、全方向トレッドミルを大幅に小型化することができ、その普及に有利になる。 2.展示による試作システムの評価 開発されたシステムを一般公開し、その効果を検証した。具体的にはオーストリアのアルスエレクトロニカに搬出し、展示を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画では最終年度に予定していた、試作システムの展示を通じた評価実験を、H23年度に前倒しで実施した。
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今後の研究の推進方策 |
展示を通じた評価実験を、H23年度に前倒しで実施した結果、公転ユニットが高速で回転する時に、自転ユニットが遠心力で軌道からずれるという問題点が発見された。これを改善すべく公転ユニットの改良を行った。
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