研究概要 |
(1)力に関する情報表現 等尺性運動における4方向力発生時の運動情報がNIRS信号において空間的、時間的に局在しているかの検討を実施した。空間的、時間的な特徴量選択を行うことで運動情報の特定を試みた。実験で被験者が右腕で前後左右4方向への等尺性収縮運動を行った際のNIRS信号を測定し、得られた信号から腕の力方向を時間的・空間的な特徴量選択を行い方向推定を実施し,80-90%程度の推定精度が得られた。結果,運動情報の空間的、時間的局在が示された。また、NIRS計測における頭皮膚血流の除去は重要な課題である。本年度は、NIRS計測の信頼性向上のためにノイズ除去の検討を進めた。PCA,ICAによるシミュレーション及びプローブ間の距離の短いショートチャンネルを利用した方法を検討した。 (2)適応学習アルゴリズム:強化信号の推定 脳波から強化信号を推定するための実験を開始しており、P300 spellerを例に、その有効性を示した。今年度は、EEG/NIRSの同時計測を行いEEGとNIRSの相関等よりNIRS単独での強化信号推定の可能性の検討を実施したが,様々な神経活動に由来する血流変化が混在し,それぞれを分離して計測することが難しかった.そこで,基礎的な確認を含めて,事象関連デザインを素早い把持動作に適用し,NIRSによる計測が可能であるか,およびそのために必要となる条件について検討した. (3)『運動指令を生成する脳』の学習に関する研究-NIRSによるニューロフィードバックの可能性の検討 力方向想起時の脳活動から想起方向の分類可能性について検討した。4方向力想起時の脳活動をNIRSにより測定する実験を行い、実運動の信号との比較、および想起時の方向別信号の比較を行い,想起方向の分類を行った。また、実験日ごとの分類精度の増減を調べることで、運動想起に対する学習効果を調べた。
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