研究概要 |
本年度の計画は,プログレッシブサーフェス生成に必要な基本アルゴリズムの開発であった.そのために,以下の項目について検討を行った. (1)多眼ステレオカメラによるサーフェス生成: この推定は,プログレッシブサーフェス生成において,カメラ運動が得られたことを想定した推定と等価である.よって,この研究には,多数のカメラが存在したケースにおける基準座標系の取り方や,サーフェス生成の基本的な性質を明らかにするという意義がある.この研究により,復元の際に必要な基準座標系は,特定のカメラ座標系に定めるのではなく,撮影対象の形状に対して適切な座標系を定めることで,より良好なサーフェスが生成できることがわかった.また,安定に最適化を行うには,初期値および形状に関する拘束項を適切に定めることが重要であることがわかった。これらの結果は,サーフェス拡張アルゴリズムにおける初期メッシュの生成方法に洞察を与えており来年度以降の研究に役立てる予定である. (2)カメラ運動推定のリアルタイムデモ作成: このデモは,単一平面を見たときのカメラ運動推定をオンラインで行うものであり,推定対象の形状(サーフェス)が単一平面であったときの計算効率を確認するという意義がある.ここでは,特別なハードウェアを利用せずとも,高速化の枠組みを利用することで,30フレーム/秒の推定が安定にできることを確認した. (3)魚眼レンズを利用したマルチベースラインステレオ: この研究では,一般的なカメラよりも視野の広い魚眼レンズを利用したケースを検討した.ここでは,1台の魚眼カメラとミラーとを同時に利用することにより,1台のカメラを用いても多眼ステレオと等価なシステムを実現できることを示すとともに,キャリブレーション手法および3次元計測手法を開発した.
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