研究分担者 |
平井 慎一 立命館大学, 理工学部, 教授 (90212167)
陳 延偉 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (60236841)
田中 覚 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (60251980)
森川 茂廣 滋賀医科大学, 医学部・看護学科, 教授 (60220042)
来見 良誠 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70205219)
|
研究概要 |
本研究では,触覚情報が重要な遠隔協働タスクとして医療分野における低侵襲手術訓練を想定し,当初の予定通り,以下のI, II, III, IVの4研究項目を並行して進めた. 1.内部センシングに基づく非一様柔軟物のリアリティーベース力学モデリングの研究: マイクロフォースセンサを用いた内部観測による非一様柔軟物の内部構造推定では,人肌ゲルファントムに既知外力を作用させた場合の内部変形や力学量分布と境界面推定結果を比較評価し,一様領域間の境界面を推定する手法を確立した.MR画像を用いた内部観測による非一様柔軟物の力学モデリングでは,生体組織と変形特性が既知のテストピースの双方の内部変形を観測した結果から,非一様生体組織の各領域の変形特性パラメータ群を推定する手法を確立した. 2.非一様柔軟物体のオンラインリメッシュ型インタラクティブシミュレーションの研究: マルチコアPCに柔軟物シミュレーションを実装し高速化を図った.さらに,連続体力学に基づくオンラインリメッシュ型変形シミュレーションモデルを各切断/穿刺/剥離シミュレーションの変形計算部に採用し,シミュレーションの高精度化を図り,警告情報を重畳して視触覚呈示するインタラクティブコンピュータ支援法を実装した. 3.非一様柔軟物シミュレーションのリアルタイム可視化の研究: 開発した可視化手法を複雑かつ大規模ボリュームデータへ適用を図り,軟組織上の腫瘍や血管などの微細構造を変形と連動させて正確に可視化する方法を開発した. 4.パラメータ同期交信型の遠隔協働環境構築の研究: 昨年までの4項目の研究成果を,ボリュームベース遠隔触覚協働環境構築に集約させ,遠隔3地点間で低侵襲胆嚢摘出手術と穿刺手術訓練が可能となるボリュームベース遠隔触覚協働環境システムのプロトタイプを実現し,検証実験により有効性を評価した.
|