研究課題/領域番号 |
21240020
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
久野 節二 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (70136216)
|
研究分担者 |
岩本 義輝 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (50184908)
尾崎 繁 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60292546)
首藤 文洋 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (10326837)
山中 敏正 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00261793)
川野 道宏 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (00404905)
|
キーワード | 環境 / 感覚刺激受容 / 異種感覚統合 / 安らぎ / 脳活動 / ストレス / もの造り |
研究概要 |
研究計画について研究倫理委員会及び実験動物委員会の承認を得た。本年度は、感性工学的もの造りと環境設計に関して、リハビリテーション訓練指導への応用を念頭に、健常者を対象とする運動タスク課題遂行中の脳活動をfMRI画像解析するための機材一式の本格的製作に取り組んだ。対象者の左右の距腿関節の随意運動により、MRI装置内に設置したモニタを見ながら、2次元的にカーソル移動を制御できる(左関節は上下移動、右関節は左右移動)装置を製作した。また、この実験に用いる運動タスク課題を検討し、難易度の異なる3種類のタスクを選定した。これらを用いて運動課題遂行時の脳活動部位の特定と運動学習効果による活動部位の変化を観察するための実験的な基盤を確立した。モデル動物実験では、実験室環境にコモンマーモセットを馴化させ、タッチパネルモニタに視覚弁別刺激を提示、その応答に対して作動する報酬装置を含めた、視覚弁別課題用実験装置を開発した。また、ストレスマーカーとしての尿中コルチゾル量を測定するための最適ELISA法の検討を開始した。さらに、マカクザルを対象にリラックス度や注意関心度の生理指標として眼球運動課題の達成度と眼球運動の動的特性に注目し、2頭のサルからデータを収集した。異種感覚統合実験に先立ち、聴覚刺激について現在、ホワイトノイズ聴取下での課題達成度および動的特性の実験室内・実験室間・個体間での変動を解析し、動的特性の変化様式において個体の違いに依存しない一定の傾向を見出している。この結果は、生理指標の解釈で問題となる個人差(個体差)の解決の糸口になる可能性がある。ヒト被験者に対する研究では、直立したままで移動できない状況で受けるストレスに対する応答について、頭部皮膚温のサーモグラフィ計測、皮膚コンダクタンス計測、心拍数、NIRS計測を行い、環境音の聴取と環境光の明るさの違いの影響を現在解析中である。
|