研究課題/領域番号 |
21240039
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
南部 篤 生理学研究所, 統合生理研究系, 教授 (80180553)
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研究分担者 |
川口 泰雄 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 教授 (40169694)
木村 實 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (40118451)
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キーワード | 大脳基底核 / 視床 / 大脳皮質 / 運動野 / 随意運動 |
研究概要 |
まず、南部、木村、川口でサルに課す運動課題の検討を行った。これまでの木村の研究によれば、大脳基底核、とくに線条体のニューロン活動は、予測した報酬をコードしており、状況によって発射活動を変化させることがわかっているので、このような活動が、大脳基底核から視床を通って大脳皮質に至るのかを検討できるような課題にした。具体的には、手がかり刺激により、ハンドルを右、あるいは左に回すような課題で、左右で報酬量が異なるようにした。現在、サルへの訓練が終わり、頭部を固定するための手術も完了したので、今後、実際の記録に移りたい。 一方、川口は麻酔下ラットを用い、前頭皮質ニューロン、視床ニューロンの傍細胞記録と免疫組織学的検索を組み合わせた実験を行った。運動系視床には、基底核・小脳コマンドの前頭皮質への伝搬と、前頭皮質との相互結合による振動生成という二つの機能がある。この二つの側面を統一的に理解するには、皮質投射システム多様性や視床コンパートメント構造を考慮して解析していく必要がある。そこで、本年度は、前頭皮質では運動系視床に投射する錐体細胞を、視床では基底核・小脳入力に関連した各コンパートメントにある視床ニューロンを、逆行性応答、傍細胞記録・染色、カルバインディン免疫組織化学で同定する手法を確立した。次年度以降、視床・前頭皮質の単一ニューロンと局所電場電位の記録を組み合わせて、ニューロンサブタイプごとの脳活動状態依存性や、各種振動現象におけるカップリング強度・位相特性を解析していきたい。
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