免疫不全マウスを用いた異種移植実験系によるヒトがん細胞の転移モデルでは、その転移能をヒトとは異なる微小環境で評価していた。ヒト生体におけるがん転移現象をより正確に反映したモデルとして、宿主標的組織対移植細胞の関係がヒト対ヒトになるよう、マウス肝臓をヒト型化したヒューマナイズドマウスを宿主として用いた。従来の異種移植モデルでは転移性が無い(あるいは極めて低い)と評価された細胞株でさえ、このモデルでは転移が認められた。本研究により、移植モデルにおける宿主・移植細胞の関係の重要性が示された。これらの結果によりヒト対ヒトの同種移植モデルの重要性が示唆された。
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