研究課題/領域番号 |
21240044
|
研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
米川 博通 (財)東京都医学研究機構, 総合研究所, 参事研究員 (30142110)
|
研究分担者 |
小松 雅明 (財)東京都医学研究機構, 総合研究所, 副参事研究員 (90356254)
設楽 浩志 (財)東京都医学研究機構, 総合研究所, 研究員 (90321885)
|
キーワード | ミトコンドリア / マウス / バイオイメージング / 疾患モデル / 運動失調 |
研究概要 |
ミトコンドリアは古くから細胞内のエネルギー産生、脂質のβ酸化等の生命維持に必須の化合物生産の場として、最近では細胞内カルシウム濃度の調節、アポトーシス等の、細胞内シグナル伝達の中継所としても注目されている。これらの理由から、ミトコンドリアの機能失調は生体にとって深刻な影響を与える。そのため、生体は、機能失調に陥ったミトコンドリアに対する品質管理のシステムを保有している。そこで、本研究では、ミトコンドリアの品質管理と疾患との関係を明らかにすることを目的とした。そのため、ミトコンドリアが機能失調に陥った場合に、最も影響を受けると予想される中枢神経系、神経・筋肉系に注目し、その最も顕著でかつ重要な表現型である運動失調を標的に、これらの表現型を呈する既存、並びに新規のモデルマウスを作製することにした。そのようなモデルが樹立された後、そのモデルの神経、筋細胞等を用い、ミトコンドリアの挙動をバイオイメージングにより解析することによって、上記目的を達成したいと考えている。 今年度は、これまで作製したmtGFP-トランスジェニック(Tg)マウスを始めとする4種類以上の蛍光蛋白で標識されたミトコンドリアを有するTgマウスを用い、各種臓器の細胞内におけるミトコンドリアの融合・分裂の詳細を明らかにすると共に、ミトコンドリアの量的・質的挙動に関係するミトコンドリア転写因子A(TFAM)タンパク質、オートファジーに関連する構成タンパク質の条件付き発現系を有する遺伝子改変マウスを用い、上記のミトコンドリアを蛍光標識したTgマウスとのF1マウスを作製し、ミトコンドリアの挙動、特にミトコンドリアの品質管理の破綻と疾患の表現型との関係を重点的に観察した。今後は、これらのマウスを用いて、病態との関係、特に病態の重篤度との関係を明らかにする予定にしている。
|