研究課題/領域番号 |
21240051
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
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研究分担者 |
稲垣 暢也 京都大学, 医学研究科, 教授 (30241954)
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 教授 (40252449)
興津 輝 京都大学, 医学研究科, 助教 (10378672)
川本 卓男 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 教授 (10231276)
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キーワード | 糖尿病 / ランゲルハンス氏島 / リン脂質 / オリゴDNA / 表面修飾 / 移植 / 拒絶反応 / PEG |
研究概要 |
インスリン依存型糖尿病の糖尿病を治療するために、ドナー膵臓から単離した膵ランゲルハンス氏島(膵島)を経門脈的に肝臓に移植することが行われている。移植直後に起こる膵島表面での血液凝固、それに引き続き起こる炎症反応により多くの膵島が失われる。また、この時期を生き延びた膵島もレシピエントの免疫系に異物として認められ、拒絶されてしまう。本研究では膵島細胞表面で起こる種々の反応をコントロールするために、膵島細胞の表面修飾法を開発している。今年は、リン脂質-ポリエチレングリコール-オリゴDNA(Lipid-PEG-DNA)を用いて膵島表面に線溶系酵素であるウロキナーゼや補体制御因子sCR1を固定化することを試みた。Lipid-PEG-oligo(dT)の溶液を膵島のサスペンジョンに添加するとLipid部分が疎水性相互作用により細胞膜の脂質二重膜に突き刺さり、細胞表面にoligo(dT)が提示される。これにoligo(dA)で修飾したウロキナーゼやsCR1を加えるとoligo(dT)とoligo(dA)の相互作用で膵島表面にウロキナーゼやsCR1を固定化できた。現在、移植実験で移植後初期の反応で失われる膵島数を少なく出来るかを評価している。また、拒絶反応をコントロールするために、Lipid-PEG-DNAを用いて膵島表面を患者の血管内皮細胞覆うことを計画し、その予備実験を行った。膵島をLipid-PEG-oligo(dT)で処理し、一方、HEK細胞をLipid-PEG-oligo(dA)で処理し、膵島表面にHEK細胞を固定化さらに被覆した。
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