研究課題/領域番号 |
21240054
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
松下 伸広 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 准教授 (90229469)
|
研究分担者 |
半田 宏 東京工業大学, 統合研究院, 教授 (80107432)
上田 智章 東京工業大学, 統合研究院, 特任教授 (50456258)
北本 仁孝 東京工業大学, 統合理工学研究科, 准教授 (10272676)
小川 純一 秋田大学, 医学部, 教授 (20112774)
南谷 佳弘 秋田大学, 医学部, 准教授 (30239321)
|
キーワード | 励磁音響効果 / 磁性ビーズ / センチネルリンパ節診断 / 低侵襲性医療 / 断層画像撮影 |
研究概要 |
本研究の目的は、我々が発見した「磁性粒子の励磁音響効果」を利用して、深部に存在するがん病巣と各種の標的臓器の、特異的に吸着・吸収させたフェライトビーズ(マーカー)が発する励磁超音波で造影する画像装置を開発すること、およびそれに適したフェライトビーズを開発することにある。本年度は、まず、150kHzの交流磁界でフェライトビーズを励磁し、発生する300kHzの倍音の超音波信号を圧電マイクロフォンで検出する装置(駆動回路付)を設計し作製した。マイクロフォンは励磁用の交流磁界にさらされるため、電磁ノイズを抑止する金属のシールド層を設けた。しかし、マイクロフォンの受波面積が広いため感度が平均化されてしまい、微小なサンプルからの音圧信号出力が小さく、また強い共振特性を持つために中心周波数付近のゲイン変化が大きいことが判明したので、広帯域でフラットな感度を有するMEMS超音波センサで代替してみたところ、前述の問題が解決されることを見出した。さらに、励磁高周波磁界を擬似ランダムM系列符号で変調し、検出信号を同じM系列符号で復調することによってノイズをスペクトラム拡散させて低減させる"ノイズ拡散抑制法"を考案し、それを実現するためのデジタル回路を作製した。最初のステップとして、フェライトビーズ(市販のMR造影剤リゾビスト^R)の試料に20kHzの交流磁界を印加し、励磁された40kHzの第二高調波・超音波成分を検出し、ノイズ拡散抑制法によりS/Nを100倍(約40dB)向上させることに成功した。これにより5μg程度の微量の試料をも検出することができた。さらに、励磁音響特性の優れたビーズを開発する基礎研究として、共沈法で作製したフェライト種粒子に界面活性剤で被覆して水熱合成反応を利用して結晶成長させることによって、水中での分散性がよいフェライトビーズを作製できることを見出すとともに、購入した高周波電源、ガウスメータ、クランプ型電流モニタを用いて実験に用いる磁界印加用コイルの電流-磁界特性を評価した。
|