研究概要 |
Computer assisted diagnosis (CAD)およびコンピュータナビゲーションシステムを搭載した内視鏡手術システムの開発を可能にするため、本年度は1)能動内視鏡マニピュレータ、2)大腸検査支援マニピュレータの開発を行い、以下の結果を得た。 1)能動内視鏡マニピュレータの開発:単孔式内視鏡下手術における術中の視点・視野の操作を目的に,汎用保持マニピュレータと外套管マニピュレータからなる能動内視鏡マニピュレータの開発を行った.外套管には圧縮コイルばねを用いて屈曲の2自由度を実現し,体内で自由に位置・姿勢が操作可能な計6自由度の構成とした。ジョイスティックによる動作検証により,位置移動,屈曲動作が可能であることが確認された。また、内視鏡は小型化されたステレオ視をもつもので、対象物を3次元立体画像復元が可能なものを新たに開発した。今後は術具マニピュレータとの統合によるin vivo実験を行い,システム全体の評価および改善を図っていく予定である。 2)大腸内視鏡検査における腸管短縮手技を支援するマニピュレータの開発:このマニピュレータは,4個のDCモータとそれによって駆動される4自由度リンク機構からなり,内視鏡先端に取り付けて使用する.駆動部は体外に設置され,ワイヤとアウターチューブを介して,マニピュレータを動作させる。マニピュレータの動作は,画像処理と強化学習を統合した制御系によって,自律的に最適化される。大腸内視鏡検査トレーニング用の大腸モデルにこのマニピュレータを挿入してその有用性を検証することができ、臨床応用の可能性が示唆された。
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