研究課題/領域番号 |
21240058
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊福部 達 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教授 (70002102)
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研究分担者 |
中邑 賢龍 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (70172400)
福島 智 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50285079)
田中 敏明 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教授 (40248670)
上田 一貴 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (10403594)
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キーワード | バリアフリー / 携帯電話 / 視覚支援 / 聴覚支援 / 発話支援 |
研究概要 |
本課題の目的は、視・聴覚障害者のために指先の触覚を介して携帯電話の情報の授受ができるインタフェースを開発し、その有用性を確認する所にある。そのため、平成21年度では、ピエゾ素子で作った振動子マトリクス(2.5ミリおきに配列した6行×6列)を触覚ディスプレイと触覚センサとして同時利用しできるように改良化し、さらに、それにCPUと通信用ブルーツースを組み込み、携帯電話情報の授受ができるようなインタフェースを試作した。 この試作機を基に、自己の向いている方向を触覚で知る「ナビゲーション」と危険な音を触覚に伝える「注意喚起情報」の機能がどこまで有用かを当事者による実験を通じて評価した。 <21年度の成果> (a)「ナビゲーション」機能については、携帯電話に内蔵する電子コンパス機能を利用し、携帯電話の触覚ディスプレイにその方向を提示するとともに、その有用性を評価した。視覚障害者および晴眼者、合計20名による評価実験から、東西南北のいずれの方向に向いているかを全ての被験者が認識することができた。 (b)「注意喚起情報」警報音(サイレンや自動車音)を触覚で探知できるように、その音を触覚ディスプレイに提示した。ここで、音響スペクトルを高音域と低音域に分け、さらにそれぞれの球分の強度を4段階に分けて提示し、どの程度の正確さで警報音を認識できるかを調べた結果、静かな暗闇の中で警報音を探知する上では十分に有用であることが分かった。 (c)「コミュニケーション」については、当初の予定に反して触覚センサとしての機能が十分に得られなかったため、触覚センサを改良する必要が出てきた。そのため、仕様を再検討し、触覚センサの感度や安定性など必要な機能を得ることができたが、この作業に5カ月を要したため、「コミュニケーション」機能については年度内の完了が困難になった。課題(c)については22年度に遂行することとした。
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